旧劇場版エヴァ挿入歌『Komm, susser Tod』を和訳してみた

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を公開初日に観てきました。

エヴァシリーズ(ややこしいけど気持ち悪い方じゃない)(気持ち悪い、というとこれはこれでややこしい)との出会いは高校時代に友人に誘われて『破』を見に行ったのが最初で、それ以降主要なメディアミックスは抑えてきたのだが、まあライトな距離感だったというか、そこまでどっぷりハマってた訳でも無かった。

むしろ、シンエヴァで終劇を見届けたはずの今の方がハマってしまっている節がある。TVアニメやこれまでの劇場版を見返して気になる点はメモを取ってみたり、聖書などモチーフとなっている部分を改めて理解しようと取り組んだり。そんな中で旧劇場版『Air/まごころを、君に』を改めて見たのが本日3月18日のこと。

旧劇場版で人類補完計画が実行される中、挿入歌として使用されるのが『Komm, susser Tod』という楽曲である。全編英詞の楽曲なのだが、今回の記事ではこれを和訳していこうということになっている。10年、いや20年遅いだろ。意訳も大幅に混ぜ込んでの和訳となります。

 


 

Komm, süsser Tod
歌  : ARIANNE
日本語原詩 : Hideaki ANNO(庵野秀明)
英訳 : Mike WYZGOWSKI
作曲・アレンジ : Shiro SAGISU

 

I know, I know I've let you down
I've been a fool to myself
I thought that I could
live for no one else

他人なんて必要ない。
傷つくくらいなら、ひとりでいたい。
心を誤魔化しながら私は、そう思い込んでた。

 

But now through all the hurt and pain
It's time for me to respect
the ones you love
mean more than anything

でもあなたと触れ合って、痛みも悲しみも……
あなたがくれるすべてを愛しいと思ってしまった。
それこそ、他に何も要らないと思うくらいに。

――そして、だからこそ、あなたを傷つけてしまった。

 

So with sadness in my heart
(I) feel the best thing I could do
is end it all and leave forever
what's done is done it feels so bad
what once was happy now is sad
I'll never love again
my world is ending

だから全部終わらせて、お別れするの。
悲しいけれど、それが私に出来ること。
どうしたってもうやり直せない。
幸せだったことさえ、痛みに変わってしまった。
もう誰も愛したりしない。
私はただ、終わっていくだけ。

 

I wish that I could turn back time
cos now the guilt is all mine
can't live without
the trust from those you love

何もかも、手を伸ばした私のせい。
元通りに出来たら楽なのにね。
もうきっと、一人には戻れない。
あなたがくれた世界に囚われてるの。

 

I know we can't forget the past
you can't forget love and pride
because of that, it's kill in me inside

思い出を消し去ることなんて出来ない。
あなたはきっと、赦してくれるでしょう。
でもね。その優しさが私を壊すのよ。

 

It all returns to nothing, it all comes
tumbling down, tumbling down,
tumbling down

It all returns to nothing, I just keep
letting me down, letting me down,
letting me down

何もかも、壊れてしまえばいい――
誰もいない、荒れ果てた大地に還ろう。
みんなみんな、消えてしまえばいい。
私はただ解れて、溶けて、なくなっていく。

 

In my heart of hearts
I know that I called never love again
I've lost everything
everything
everything that matters to me, matters
in this world

もう何も求めたりしません。
心にそう固く誓います。
あらゆるすべてを、
自身さえも捨ててしまったのだから。


I wish that I could turn back time
cos now the guilt is all mine
can't live without
the trust from those you love

何もかも、私のせい。
元通りに出来たら楽なのにね。
もうきっと、一人には戻れない。
あなたがくれた世界に囚われてるの。

 

I know we can't forget the past
you can't forget love and pride
because of that, it's kill in me inside

思い出を消し去ることなんて出来ない。
あなたは手を差し伸べてくれるでしょう。
でもね。その優しさが私を壊すのよ。

 

It all returns to nothing, it just keeps
tumbling down, tumbling down,
tumbling down

It all returns to nothing, I just keep
letting me down, letting me down,
letting me down

何もかも、壊れてしまえばいい――
誰もいない、荒れ果てた大地に還ろう。
みんなみんな、消えてしまえばいい。
私はただ解れて、溶けて、なくなっていく。

 


 

EVANGELION FINALLY ムビチケカード付き数量限定・期間限定盤

EVANGELION FINALLY ムビチケカード付き数量限定・期間限定盤

  • アーティスト:アニメ
  • 発売日: 2020/10/07
  • メディア: CD
 

 

くろろのたのしいディスカバリー(2021年2月)

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推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

  • 作者:宇佐見りん
  • 発売日: 2020/09/10
  • メディア: Kindle
  • オススメ度: ★★★★☆☆☆☆☆☆
 

22/7のコミュニティに身を置いて、所謂アイドルオタクと呼ばれる人々との交流が増えた。そこで多く飛び交うのが『推し』という言葉なのだが、この言葉について自分の中でしっくり来るものは未だに見つかっていない。この『推し、燃ゆ』に手を伸ばした動機はその糸口になるかもしれないと思ったから、というのが少なからずある。結果としてあまりヒントにはならなかったのだが。

『推し』というのはまさしく自身が「推す対象」そのものを指す言葉であると思う。だが「自分は〇〇推しです」というように、自身を装飾するような用法で使われる場面が多いように感じている。その辺りのズレみたいなものがあるよなあと、まあそれだけなのだが。

 

 

えのぐ - It’s 笑 time! [Official Music Video]

www.youtube.com

真っ白な夢の世界

真っ白な夢の世界

  • 発売日: 2020/10/24
  • メディア: MP3 ダウンロード
  • オススメ度: ★★★★★★☆☆☆☆
 

VRアイドル「えのぐ」の楽曲『It’s 笑 time!』のMVが公開。先月VTuberフェスに参加した際もメドレー内で披露されていた楽曲である。ラップパートが盛り込まれたグルーヴィな一曲で、タイトル通り歌詞も明るくて楽しい。「マジでみんな笑顔あれ」という歌詞がイカしてる。

岩本町芸能社は3Dモデルのクオリティがトップクラスということもあり、MVでのダンスが可愛らしくて何度でも見たくなる魅力がある。従来のMVと比べると演出的な作り込みは濃くないのだが、その分4人の空気感や仲の良さが前面に出ていてこれはこれで良いな。みんな可愛いけど2分30秒の鈴木あんずさんがめちゃくちゃ可愛い。3月のライブに行くので楽しみである。

 

 

ポケモン世界の住人からのお気持ちになります【にじさんじ/月ノ美兎/樋口楓/卯月コウ/ジョー・力一】

バーチャルライバー集団「にじさんじ」の面々による、インターネット巻き込み型企画の動画。

にじさんじライバーがポケモン世界での住人になりきって、所謂"お気持ちnote"を実際に投稿。そのnote記事に対し、リスナーたちもまたポケモン世界の住人になりきって賛否両論のコメントを残すことで、ある種の"炎上"を演出する。本編動画でもポケモン世界の住人という体裁を保ったまま、そのnoteとコメントを振り返って議論をしていく……という内容。

ネット住民の"お気持ちnote"らしさが存分に出ていて面白かった。意識してこういう文体書くの面白そう。コメントも紹介されているものは秀逸で良かった。

まあ悪く言えば茶番劇でもあるのだが、フィクションとノンフィクションが曖昧になったような不思議な感覚があった。noteというプラットフォームを使ったことも拍車をかけたかもしれない。

何も知らずにこのnoteを読んで得体の知れない気分になった人も居るだろうし、その反応を想像するのもまた面白い。あるいはその違和感を発端にして真相となるこの動画に辿り着いた人がいるのかとか考えるのも面白い。こういう遊びにはインターネット特有の良さを感じる。SCPなんかに近しいものがあるだろうか。

 

 

 

 アイドルコネクト『Feelings of girl』

IDOLCONNECT SoloDisc CD 『Feelings of girl』 初回生産限定盤デジパック仕様

IDOLCONNECT SoloDisc CD 『Feelings of girl』 初回生産限定盤デジパック仕様

  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★★☆☆☆☆
 

伝説のアイドルゲームと自称している『アイドルコネクト』のアルバム。シナリオが未完のままサービス終了してしまったコンテンツだが、その後も買い切りノベルアプリを販売したり、サポーターに資金援助を募りつつ細々と(?)展開を続けるなど、復活に向けて動きがあったのを見てきた。タイムラインの一部ではある種のカルト的な人気を誇っている作品である。

そしてつい先日には大きな動きが。「シナリオ後半のリリースを目指したい」ということで、目標額400万円のクラウドファンディングを実施したのである。これは本格的に復活への始動だということで、タイムラインで大きな話題になっていた。400万円となるとかなりの金額だが、10万円単位での出資者が散見されるなど物凄い勢いで出資額が増え、開始から数日と経たずに目標額をクリアしていた。

シナリオライターラノベ作家ということで、かなりクオリティが高いというのも耳にしていた。実際、ここまで根強いファンがいるとなると気になってくる。買い切りノベルが出た際に500円だからというので購入したのだが、ずっと読んでいなかった。そろそろ読んでみてもいいかもしれない。

このプロジェクトの一環としてか、サブスクリプションで過去の音源が配信スタート。タイムラインでは度々話題に上がっていたものの、全く触れたことが無かったのでこの機会に聴いてみようと手を出してみた。『恋する私←New』が凄くいい。

 

 

 

Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-(2021.2.27 視聴)

『Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-』オリジナルサウンドトラック[通常盤][CD]

『Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-』オリジナルサウンドトラック[通常盤][CD]

  • アーティスト:Tokyo 7th シスターズ
  • 発売日: 2021/02/24
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★★★☆☆☆
 

ナナシスのアニメ映画がいよいよ公開。公開2日目に見に行った。最初に見た際はキャラクターたちが動いていることへの感動が大きくて、正直現実感が無いままフワフワした気持ちでの視聴になってしまった気がする。最近2回目を観てきたのだが、その際は前述のフワフワ感が抜けていたのか、感極まりすぎてボロボロ泣いてしまった。1回目は全く涙は出なかったので不思議なものである。

ナナシスのテーマを存分に盛り込んでいて非常に良かった。尺の制約が無い(というかぶち壊してしまっている)原作のEPISODEシリーズと比べれば話のスケールはコンパクトになっているものの、エッセンスは損なわれていなくてナナシスの映画だなあと思えた。

キャラクター同士の何気ない会話シーンや、ナナスタ事務所のディテールがわかったりと、原作世界を映像化したことによる立体感、温度感も感動ものだった。キャラクターは本当にみんな可愛かったです。特にムスビが可愛かった。モモカ追っかけるところとか。ハルに対する眼差しや、公園での会話シーンなんかも凄く良かった。

 

 

22/7 「僕が持ってるものなら」発売記念LIVE(2021.2.28 開催)

僕が持ってるものなら (完全生産限定盤A) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

僕が持ってるものなら (完全生産限定盤A) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

  • アーティスト:22/7
  • 発売日: 2021/02/24
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★☆☆☆☆☆
 
僕が持ってるものなら (完全生産限定盤B) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

僕が持ってるものなら (完全生産限定盤B) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

  • アーティスト:22/7
  • 発売日: 2021/02/24
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★☆☆☆☆☆
 

タイトルにこそなっていないが、実質的に帆風千春さんの卒業公演。パシフィコ横浜で開催された。パシフィコは自分にとってナナシスが始まった場所でもあって、そこで22/7にとっての大きな区切りがやってきたことは意識してしまう。

ライブは本当に良いものだった。別の記事でちゃんと書きたい。

 

 


 

ナナシスについて自分で自分にインタビューをして自分で2万字分語る、という気の触れたような記事を作っていたのもあって、2月はあんまり余裕が無かった気がする。そんな訳で満足にディスカバリー出来てないかもしれない。

 

 

Discovery by Mr Children (1999-02-03)

Discovery by Mr Children (1999-02-03)

  • アーティスト:Mr Children
  • 発売日: 1999/02/03
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★★★★★★
 

Tokyo 7th メモリーズ ナナシス7周年記念ロングインタビュー(後編)

ナナシス7周年を記念しての、くろろ(@0get_kuroro)さんへのロングインタビュー。この記事はその後編となります。後編では武道館ライブから現在に至るまで、更に熱く語っていただきました。

 

前編記事はこちら! 


 


 

──後半戦です。前回は、武道館メモリアルライブ『Melody in the Pocket』までの思い出を振り返っていただきました。

良くない話して終わってますね。引き続き宜しくお願いします。

 

──さて、大成功を収めたと言っていいメモリアルライブでしたが。この約1ヶ月後、2018年8月12日にはライブスタッフ制作座談会というのが行われたんですね。

あ、そうだったんですね。

 

──あれ、ご存じなかったですか?

旅行の日程と重なって参加出来なかったので記憶から消してました。

 

──自分が悪いだけじゃないですか。

記憶から消してたっていうのは冗談で、配信されていた部分はしっかり聞きましたよ。チケット倍率が10倍越えだったそうで。でも行きたかったな。後半、どんな感じだったんだろうな…………行きたかったな。マジで。マジでさ…………マジでよぉ。

 

 

──この話やめましょうか。 

マジでさ…………

 

──2018年9月14日に、777☆SISTERS『Melody in the Pocket』のリリースが発表されます。これが、武道館公演へのアンサーソングという名目でしたね。

ライブへのアンサーソングって、言ってることが粋すぎませんかね?

トレーラーもナナシスらしい濃い青空が広がっていて素敵でした。最高のイントロの中「TOKYO 7TH SISTERS」「777☆SISTERS」ってドカンと出てくるだけで涙腺に来ます。『アンサー』には色んな意味合いが込めてあるとは思いますけど、あの会場にいた人間へのご褒美のように思えましたね。

トレーラーで感動しまくってたんですけど、後半でSU♡SUTAのトレーラーが流れてきて、そのギャップも面白かったですね。はる☆ジカもそうですけど、茂木さんってこういう趣味もあるよねみたいな感じで話題になっていたのも覚えています。周りの支配人には茂木ガールズが多いんですよ。

 

作詞・作曲はSATSUKI-UPDATE。
これまでナナシスのほぼすべての作詞を手掛けている
クリエイターからの、武道館公演を
共につくってくれた支配人たちへ向けての、
渾身の書き下ろし曲となっている。

 

──茂木ガールズ?

すみません、深い意味はないです。主に茂木総監督が好きな成人男性のことを指して使いました。

 

──勉強になります。

時系列としては先の話になりますけど、翌年に武道館ライブのBDが出た際に、『Road to Melody in the Pocket』っていう、武道館ライブの裏側に密着した映像が特典ディスク化されたんですよね。これがライブ前後の茂木総監督に密着したドキュメンタリーとも言えるような作りになっていて。

特典映像とは言っても、制作サイドにここまでフォーカスが当たることってそうそう無いと思いますから凄いですよね。開演直前の号令や『またあした』の合唱、『STAY☆GOLD』の銀テープ発射のシーンなどグッとくるものがありました。

ナナシスは楽曲やキャラクターも勿論良いんですけど、作品自体が好きだという声が非常に大きくて。茂木総監督の作家性に惹かれてる人が多いということなんだと思います。

 

──この後、2018年11月に4thライブ『FES!! AND YOUR LIGHT』が開催されました。

武道館ライブの特報で発表されたんですよね。3rdから武道館ライブまでは1年3ヶ月あったんですが、4thまでのスパンは短かったですね。この間にCASQUETTE’Sがデビューして、いよいよ大所帯になってきたなと。フェスと題したライブを2DAYSで開催出来る規模になってきたんだというので感慨深かったですね。

このライブはチケットの倍率が高かったです。2日目のチケットが取れなくて絶望してましたね。潔く諦めることも出来ず、結局当日まで執念深くSNS上で探し続けてどうにか譲ってくれる人を見つけました。

 

ライブの感想はブログ記事にしましたが、フェス形式ということでユニットが立ち替わり登場するのが楽しかったです。各ユニットの持ち時間もがっつりありましたし、従来の作品性を突き詰めたライブとはまた違って、ナナシスの音楽を楽しんで盛り上がることに重点が置かれていたと思います。セブンスシスターズが1年半ぶり、KARAKURIに関しては2年以上ぶりの登場ということで、ほぼほぼフルメンバーが集結した凄い公演でしたね。

 

 

 

あとこの時は支配人数名(初対面含む)が実家に泊まりに来てくれました。泥酔してたので良くわからなくなってました。でも楽しかったです。

 

 

──年は明けて2019年1月。七花少女のデビューが発表されました。

4thライブで新ユニットの発表があったんですが、この時点ではキャラクターのシルエットだけが公開されたんですよね。右から何番目は誰だったとか、お団子のキャラが居たからシャオは確定だとか、でも髪型ガラッと変えてる可能性あるくない?とか、当時は議論が白熱してたのを覚えています。

デビューシングルの発売は3月でしたけど、1月にエピソードやキービジュアルが公開されましたね。制服をモチーフにした衣装が爽やかで可愛らしかったです。何よりトモエがセンターだったのはこみ上げてくるものがありましたね。

トモエに関しては歌唱力が非常に高いキャラクターとして描かれていて、どんな形でデビューするのかは話題に上がることも特に多かったんですよね。能力は高いけど精神面でどうしても前に出られない……そんなトモエを中心としたユニットが誕生したのは、結成エピソードも含めて感動的でした。ハルとの関係性も泣けます。

 

──翌月の2019年2月には、『EPISODE 4.0 AXiS』の告知がありましたね。

来ましたね、EP4.0。正直なところ、これには最初戸惑いました。

明らかにこれまでのエピソードとは毛色が違いましたし。明確な悪役というか敵が登場していたので、何だかこれまで見てきた自分の知ってるナナシスとは変わっていってしまうのかもな、とか。

キャストもセブンスシスターズの6人をそのまま起用っていうので、話題性はあるけど、これ大丈夫なのかな?という印象が当初は強かったですね。何様だよという感じではありますけど。

 

──史上最凶の新章、という触れ込みでしたからね。インパクトは大きかったですし、ざわついていたのを覚えています。

 

色々とぶちかましていたので、ここまで広げた風呂敷を本当に畳めるのか?という懐疑的な見方をしてる部分がありました。今思えば浅はかだし失礼な考えですね。結局、エピソードが始まってからはただただ度肝を抜かれてました。

セブンスシスターズ関連の考察もこの時期は盛んだったように思います。セブンスストライクの詳細や2030年前後のTokyo-7thの情勢とか、セブンスシスターズが一体何を破壊したのか、そんなところも天神ネロの言葉から見えてきたりして。ナナシスの根幹に迫るエピソードなんだっていうのを感じました。

 

──終盤の方はエピソードの再生時間も凄いことになってましたね。

アイドル育成ゲームのシナリオでこんなボリュームのものが生まれるんだっていう衝撃がありました。美麗なイラストやアニメーション演出がふんだんに取り入れられていて、従来と比べると異常に思えるレベルでリッチになってましたね。毎回、データのダウンロード量が凄かった気がします。

13週間に渡ってエピソードが更新されましたが、どういった着地を見せるんだろうというのは毎週更新の度に考えていました。鬱屈とした展開が続くので更新を待ってる間はしんどかったですが。

期間中は支配人仲間の家に集まってEP4.0、ひいてはナナシスやアイドルというもの自体についても、朝まで真剣に語り合ってましたね。『夏陰』や『COCYTUS』の歌詞を読み込んで展開のヒントを探してみるだとか。エピソード完結後にも集合して、今後の展開はどうなるのか、コニーは戻ってくるんだろうか、そんなことを討論してました。

既にナナシスのEPISODEシリーズは終わりを迎えましたが、このEP4.0が一番読み手として色々と向き合って格闘したエピソードだったように思います。『享楽の都市』というフレーズにフォーカスした記事も書きました。

 

 

 

──この後5thライブに繋がっていくわけですが……EP4.0の前後にはLe☆S☆Caに大きな動きがありました。

吉井彩美さんと藤田茜さんのキャスト降板ですね。2019年2月末にまず吉井さんの発表があって、4月には藤田さんも降板となりました。長く続いているコンテンツである以上避けられない事態だというのは重々承知ですが、やはり辛いものがありましたね。

Le☆S☆Caは2ndライブがデビューでしたが、自分が初めて行ったのも2ndライブだったんですよ。Le☆S☆Caはどんどんレベルアップしていくというか安定感や貫禄が出てきて、その成長や変化を一番肌で感じられたユニットでした。その変化が感傷に繋がることもありましたが、それくらい思い入れのあるユニットだったので、この3人のLe☆S☆Caが見られなくなってしまうことには一抹の寂しさがありました。

 

──簡単に受け止められる事態ではなかったですよね。そんなLe☆S☆Caは上杉・ウエバス・キョーコ役に井上ほの花さん、荒木レナ役に飯塚麻結さんを迎えて新体制となり、6月に『ミツバチ』をリリースします。

新キャストということで、戸惑いは勿論ありました。でも二人がキョーコとレナを引き継いでくれることへの感謝を持って受け止めようという、そんな面持ちでしたね。

そんな中でリリースされた『ミツバチ』ですが……これがもう制作陣に感謝してもしきれない、本当に素敵な曲でした。こんな素敵な曲が生まれることあるんだなって。冗談じゃなく奇跡かと思いました。この業界、世界にこんな愛があったんだと思いましたね。

カップリング曲の『ひよこのうた』も凄かった。20代後半の女性像を歌ったという点でも新鮮でしたね。

 

──5thライブまでの期間には、2019年6月のQOPの単独ライブも行われました。

QoPは2019年5月に単独アルバムを出していて、こいつを引っ提げての公演でしたね。豊洲PITで行われた2公演目に参加しました。4U単独と同様にオールスタンディング形式で生バンド演奏で、バンドユニットの舞台として非常に良かったですね。

この日の『DAYS』が強く印象に残っています。会場が一体になって合唱するところがあったんですけど、ここで入る野村麻衣子さんの語りに魂が篭っていて。ナナシスが持ってる二者関係というか、自分に語りかけられているような感覚をこの瞬間は強く感じましたし、心に刺さりました。

『DAYS』は後の5thライブでも披露されてそれも良かったんですが、個人的には単独公演がベストアクトでした。初見だったというのもあるんでしょうが、それくらい真に迫るものがあったように思います。

 

──七花少女のデビュー、Le☆S☆Caの変化、QoPの躍進、『AXiS』の完結……そんな諸々を経て、2019年7月。5thライブ『SEASON OF LOVE』が開催されます。

このライブも幕張メッセでしたね。どんだけ幕張でやるんだよって感じでしたけど(笑)。ただこの時は収容人数的にこれまでで最も多い9-11ホールでの開催でした。

1日目は比較的良い座席で見ることが叶いましたね。Twitterで連番者募集している方に入れてもらって、そこで初めてお会いしたのを覚えています。

EP4.0直後だったのと、含みのあるライブタイトルも相まって、何か物語が進むんじゃないかというソワソワ感がありましたね。実際、ナナシスライブの開演時には年号がカウントアップされる演出がありますけど、普段『2034』で止まる年号がこの日は『2035』を示しました。エピソード時空とリアルライブが連動して進行することが示唆されていましたね。

2公演ありましたが、いずれも休憩なしで4時間半ぶっ通しという凄まじいライブでした。七花少女も増えて更に大所帯になったナナシスですが、カラーの異なるユニットが代わる代わる自分たちの世界観に会場を引き込んでいって、ずっと楽しかったです。終演後の心地良い疲労感なんかも含め、何だかフェスのような感じでした。

 

──特に印象に残ったシーンなどがありましたら教えてください。

777☆SISTERS夏陰~ハルカゼの流れには天を仰ぎましたね。(I wish) you were hereってそういうことかと。代打でNI+CORAに入った山崎エリイさんも凄かった。でも最も印象に残ったのはLe☆S☆Caでした。前述の通り複雑な想いはあって、キャストの皆さんも不安だったとは思うんですが、本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

井上ほの花さんは『ミツバチ』の歌唱中にずっと小指を立てていて、それが鮮烈に印象に残っています。直前に実装されたキョーコのカードのポーズなんですよ。植田ひかるさんがMCで感極まりながら、それでも笑顔でステージに立ち続けるその姿にも心を打たれましたね。皆さん終始爽やかな笑顔で、Le☆S☆Caらしい微炭酸なステージでした。

 

──4thライブでも発表がありましたが、2019年10月には『EPISODE 0.7 -Melt in the Snow-』が公開になりました。

セブンスシスターズがどんな形で解散を迎えたのか……長年の謎だった部分が一気に明かされたエピソードでしたね。2034年の始まりに至るまでの物語でもありました。このエピソードは公開の6年前、ナナシスのサービス開始以前から温められていたということで、まさに最初の物語なんですね。

EP4.0やEP6.0でもそうですが、エンタメの裏側で蠢く大人の思惑であったり、醜くてでも現実的な部分を濁さずに描いていました。EP0.7の"大人"像は特に生々しかったというか、商業主義ビジネス世界における打算的で嫌な面が色濃く出ていた印象ですね。『鳥かごのレストラン』の話なんかは、じっくり時間をかけて語られていて記憶に残りました。

アイドルゲームのシナリオでここまでやる必要があるのか、という議論もあるかもしれませんが、ここを徹底しているからこそ、人間を描いたときに説得力があるし嘘にならないんですよね。ナナシスの物語がここから始まったと考えれば、各エピソードにある種狂気的なまでの熱量が注がれてきたことにも納得がいく気がします。

 

──この時期はエピソードラッシュですね。2020年1月9日には「未来編」とも称された『EPISODE 5.0 SEASON OF LOVE』がスタートします。

 

 これすごくないですか?

 

──え、何ですか?

このツイートすごくないですか?もはや予言ですよ予言!

 

──すごいですね。

ありがとうございます。

 

──EP5.0はいかがでしたか?

『ハルカゼ』のMVの舞台が2040年なのと、5thライブで舞台が2035年に進んだことが示されていたのもあって、今後のエピソードではこの間の出来事が描かれるのかな、と思っていたんですが……。

メインキャラクターを大胆に入れ替えて、未来編という形で2043年の話をやるという、予想の斜め上を行く采配に感服でした。シンジュの外見とポジションの変化だったり、モモカがマネージャーになっていたりと、驚きの展開でしかなかったです。マノンの魔法少女設定がこんな形で生かされるなんて思わないでしょ。『ハルカゼ』のカホルにもしっかり繋がるし、本当に恐ろしい構想ですよ。

ラストシーンではこれ以上ない余韻と幕引きを見せてくれたように思います。『夏陰』の解釈の話になってしまいますが、あれって777☆SISTERSのみんなが六咲コニーを待ち続けるよ、という歌でもあるように思うんですよね。この歌の中でだけは、あの夏はあの夏のまま時が切り取られていて、全てを閉じ込めて真空パックされているような。この歌が世界に存在して響き続ける限り、あの夏の僕らがそこで待っていて、だからいつ帰ってきても良いんだよ、というような。

そしてこれはシンジュとモモカに重なる。でも、これはある意味で呪縛にもなり得てしまうし、実際そうなってしまっていた面もあったと思うんですよね。それが最後のシーンで救われたというか。モモカとシンジュが救われて、『夏陰』が救われて、それは777☆SISTERSも救われた、みたいな。ある種これも『解夏』の瞬間だったんじゃないかと。

 

──もしかして怪文書のコーナー始まってますか?

気持ちよくなってきたところだったのに……

 

──2020年4月には、完全新作アニメ『Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる- 』の制作が発表となりました。

『ハルカゼ』の特典インタビューで語られていたことですが、ナナシスは2015年頃にアニメ化の話を持ちかけられたこともあったようなんですね。ただ茂木総監督は商業的な成功だけを見ていなかったというか、ナナシスのストーリーやテーマを蔑ろにした、安易で宣伝的なアニメ化は避けたいという考えだったようで。そういった声を断ってきたということが語られていました。

そんなナナシスが遂にアニメになるということで、ようやく来たんだなという喜びがありました。一方では驚いたのも事実です。長らくそういう話は出て来なかったし、半分覚悟してた面もあったので。

ナナシスが大切にしてきたものを守った上でアニメーションに出来ると踏んでの決定だと思いますから、非常に楽しみですよね。『原案・脚本 茂木伸太郎』の安心感も大きかったです。アニメの公式Twitterも誕生して、ここに来て更に盛り上がってきたという感じでしたね。

 

──元々は2020年夏に公開予定でしたが、延期になってしまったんですよね。

こればかりは仕方のないことですよね。アニメ公式TwitterのIDが『2020_t7s』なのを見ると、どうしてもやるせない気持ちにはなってしまいますが。

ただ、延期後の日程として2021年2月27日の公開が決定して、今のところ予定通りに上映されそうなので楽しみです。

 

──そして2020年11月5日。『EPISODE 6.0 FINAL -Someday, I'll walk on the Rainbow...-』が遂に公開となりました。

アニメ化で喜んでたり忙しいですけど、正直この告知の時点ではメンタル的に辛いものがありましたね。ナナシスが終わってしまうのか、ナナシスの物語が幕を下ろすのか……という考えにどうしてもなってしまいました。ナナシスからは色んな影響を受けましたし、遅れてきた青春みたいなところもあったので。

エピソードは最終回直前くらいからまとめて読み進めました。777☆SISTERSの4ユニットがそれぞれの仕事を頑張る描写など凄く嬉しかったですけど、途中からはやはりシリアス路線でしたね。最後の方はドタバタの大味な展開もありましたけど、勧善懲悪で後腐れが無かったのは良かったかもしれません。

777☆SISTERSの面々が今後の道について悩み、決断するシーンは本当に素晴らしかったです。成熟を見せた一人ひとりが悩みに悩んでそれぞれの答えを見つけていて、確かにそこに生きていると思わせる質感がありました。個々のキャラクター造詣に一切の隙というか妥協が無くて。これまでの7年間の積み重ねもあってこその境地ですよね。誰にも真似出来るものじゃないですよ。

取り方によっては臭いというかポエミーな言い回しもあるんですけど、そこを濁したり恥ずかしがらずに正面切ってやってくれるのがこの作品だし、そういう部分に自分は惹かれたんだなっていうのを改めて感じました。一人ひとりのアイドルを、女の子を、人間を、徹底的に描き切った超大作だったと思います。

 

──さて、そして先日ですが……2021年2月。総監督である茂木伸太郎さんがDonuts社を退社し、ナナシスの制作からも退くことが発表されました。

ナナシスが幕を下ろすまで、ずっと携わっていて欲しかったという想いもありますが。それでも一番は感謝ですね。ナナシスに出会わせてくれて本当にありがとうございます、という気持ちです。

2020年は計画が大幅に狂ったと思いますし、今回の去就も思い描いていたタイミングではないかもしれませんが、EPISODEシリーズを書き切ってくれただけでも感謝するしかないです。

 

──2020年8月にアニメ劇場公開、10月頃にライブを開催して、そのタイミングで制作から退く、という構想があったみたいですね。

え、誰に聞いたんですか? まさか直接!?

──2021年2月15日発売『Purizm(プリズム) Vol.2』のインタビュー記事で語っていらっしゃいましたよ。

 

あ、本当ですね。「あぁ、終わった」とか書いてるじゃないですか(笑)。文字通り粉骨砕身でやって下さっていたのが分かりますね。

改めて、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。まだもう少しだけ期間はありますけどね。

 

──さて、長時間お付き合い頂きましたが、このインタビューも終了のお時間となってしまいました。インタビューを受けてみて、いかがだったでしょうか?

本当に長時間でしたね(笑)。でも、こうやって年月を追って作品を振り返る機会って無かったので、自身にとっても充実した時間になりました。改めて振り返ってみても、ナナシスは偉大な作品だと思いますね。そして、ナナシスを通じて自分自身にも色んな出来事があったんだなあと実感します。

大変な世の中ですが、まずは延期となっていた新作アニメが2021年2月27日に公開されるので、非常に楽しみですね。3月には新アルバム『IT’S A PERFECT BLUE』も出ますし。

6th,7thライブも現状では延期になってしまっていますが、開催出来る日を待ちながら過ごしたいと思います。

 

──本日はインタビュー、誠にありがとうございました!

ありがとうございました!

 


 

 

Tokyo 7th メモリーズ ナナシス7周年記念ロングインタビュー(前編)

 

 

2014年リリースのアイドル育成リズム&ADVゲームに始まり、様々なメディアミックス展開を見せてきた、ナナシスことTokyo 7th シスターズ。2021年、ナナシスは遂に7周年を迎え、更には一つの大きな転換点をも迎えようとしています。

本日は、その人生の一ページをナナシスと共に歩んできたという、くろろ(@0get_kuroro)さんをお招きして、ナナシスの7周年を記念したロングインタビューを試みました。『Tokyo 7th メモリーズ』と題しまして、ナナシスとの出会いから現在に至るまで、その思い出をたっぷりと振り返っていただきます。

合計20,000文字に渡る大ボリュームとなりましたので、前編と後編に分けてお送りいたします。

 


 

──くろろさん、こんにちは。本日はインタビュー宜しくお願い致します。

こんにちは。こちらこそ、宜しくお願い致します。

ナナシスの振り返りインタビューということで。リリース初期から追っていた訳ではないですし、網羅的に全部をカバー出来ている訳でもないんですが、自分自身の思い出をベースにして、回顧録的な感じでお話し出来たらと思います。

 

──早速ですが、Tokyo 7th シスターズに触れるようになったのはいつ頃だったのでしょうか?

明確な日付は覚えてませんが、アプリゲームをダウンロードしたのは2015年の12月辺りだったかと記憶しています。タイムラインの本当に局所、それこそ3〜4人規模のクラスターだったんですけど、そこで度々名前が上がっていて気になったんですよね。

その後、2016年の初頭に『SEVENTH HAVEN』のPVがシェアされてきたのを見て、「これは普通じゃなさそうだぞ」と興味を惹かれた覚えがあります。最新の音源を入手しようと、『Snow in "I love you"』のCDを買ったのもこの頃ですね。ただこの時期はラブライブ!への熱が高かったです。

 

──ラブライブ!はμ'sの活動終了が発表されていましたね。

そうですね。2016年3月末にファイナルライブが開催されたんですが、その時までは自身がコンテンツに割り振るリソース的なものは殆どそちらに行ってた気がします。ナナシスのアプリも、ダウンロードしたは良いけど半分放置していたような状態です。

その後、ラブライブが一区切りついた辺りで、ナナシスのライブが2016年8月に開催されるっていうのを見て。アプリでちょくちょく聴いていた音楽が良かったこともあって、是非行ってみたいなと。

このタイミングで、1stアルバムにあたる『H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!』と、セブンスシスターズの『SEVENTH HAVEN』を入手したかと思います。インプレッションも軽くですがブログに残してありますね。

 

 

その後、2016年6月には1stライブである『H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!』のBDを購入しました。これもおかしな話ですが、前述したクラスター内で、唐突にこのハジマライブのBDを視聴してTwitterで実況を始めるというムーブメントがあったんですよ。その様子を側から見ていたのもあって、何となくこれはマストアイテムなのかなみたいな意識がありましたね。

 

──SNSでの評判が入り口になるのはありがちですけど、ちょっと風変わりな人達だったんですね。

でも良い人たちですよ。このBDを視聴してライブ良いなあと思ったんですが、4Uの『Hello...my friend』の曲振りの時に「EPISODE 4U、勿論皆さん読んでくれてますよね?」みたいなくだりがあったんですよね。ここで「あっ、俺…………読んでない…………」ってなったので、視聴後に読み始めたかと思います。

このタイミングを機にアプリをちゃんと触るようになって、エピソードも読んでいくようになりました。初めて課金したのもこの頃でしたかね。課金する行為のことを皆さんが「2034年に送金する」と呼んでたのが好きでした。イベントでも報酬2枚獲りのボーダーを狙い出したかと思います。

 

──スミレちゃんをボコボコにするなよ。○すぞ。

キレるタイミングがイミワカなんだよな。

 

──2016年6月には2ndアルバム、『Are You Ready 7th-TYPES??』 が発売となりました。

特典を目当てにタワーレコードで購入しました。ハルとコニーがタワレコの制服着てるイラストのクリアファイルでしたね。

ユニット曲では『さよならレイニーレイディ』と『セカイのヒミツ』が特に気に入りましたね。歌詞が抜群に良いなあと。赤盤の『Intro』〜『SEVENTH HAVEN』の流れも格好良くて、この部分を聴きまくってライブへのモチベーションを高めていました。

 

──そして2016年8月の2ndライブ『INTO THE 2ND GEAR』当日を迎えるわけですね。

はい。初めての参加でしたので、かなり心待ちにしていました。

この日は恐ろしいくらいに快晴で、でも空にはでっかい雲が浮かんでいて、『FUNBARE☆RUNNER』の「見上げれば青と入道雲」という歌詞みたいだなと思ったのが印象深いですね。「いや、これ出来すぎだろ……」って思ってました。

あくまでも仮定の話なんですけど、例えば、もしもこの日が土砂振りの雨だったとしたら、自分はこんなにハマってなかったかもな……って冗談抜きに考えることがあります。この日の出来事は、天気も含めて自分の中でセットになってますね。

ライブですが、自分は夜の公演に参加しました。本当に衝撃的で、ライブの感想をブログに書いたというか、書き殴りました。稚拙な言葉ですが、「こいつめっちゃ衝撃受けてるやん」と思える温度感はあるので、書き残しておいて良かったかなと思います。

 

このライブには、前述したクラスターの支配人も来ていたんですよ。昼公演に参加してる人、夜公演に参加してる人とそれぞれ居まして。夜公演に来てるっぽい人をタイムラインで見かけて、開演前に僕の方から声をかけて話をしました。

今でこそオタクと飲みに行ったりするのは全く抵抗なくて軽率にやるんですけど、当時はそういう経験は殆どなかったので、緊張したのを覚えています。DMの文章まで打ち終えてから(いや辞めておくか……迷惑かもしれないし……)とパシフィコ前で悶々とするのをやってましたね。最終的には送信出来て、開演前に挨拶することが叶いました。

ライブ終わりにも合流して、酒を飲むでもなくカフェに入ってライブの感想を言い合ったのを覚えています。2人で話している際に、もう1人夜公演に来ている共通のフォロワーさんがいることが分かって、気が大きくなっていたのでこちらにも声を掛けさせてもらい、最終的には3人でお話しました。ライブ自体のインパクトもそうですけど、こうやって同じコンテンツのオタクと交流するっていう原体験は間違いなくここだったので、自身の人生に大きな影響があった日だったと思います。 

 

──めちゃくちゃ自分語りしますね。

この先もこんな感じですよ。

 

──2ndライブの次は2017年1月に大阪で2.5ライブ『INTO THE 2ND GEAR 2.5』がありましたね。

そうですね。昼公演、夜公演とありましたが、昼公演だけの参加でした。大阪のゲーマーズだったかと思うんですが、2ndライブの衣装展だったり過去のライブのグッズ販売をやっていたので、それを見てから会場であるなんばハッチに向かったと思います。

ライブはオールスタンディング形式で、これまで参加したナナシスのライブの中では一番近くで演者を見られた日でした。ただこの日は前方でファン同士の格闘があったみたいで、あまり良くない形で話題になっていた記憶もありますね。キャストからも注意喚起のツイートが出たりと……。

でもライブは良かったし、レジェンドやライバルが不在の中、ナナスタだけで作ったライブというのが貴重でしたね。手作り感というか、2ndライブがぶん殴る感じだったのに対して、2.5ライブは心理的な距離の近さを感じたというか。その辺りのことは別で記事にしています。映像化も全編はされていないので、参加して良かったなと思います。

 

このライブでまた、フォロワーを通じて新しく知り合った方がいまして。その日が初対面でしたが(Twitterは少し前に相互になっていた)意気投合させていただいて、二人で新大阪の居酒屋で日本酒を飲みました。「好きなキャラ誰なんすか?」みたいな初々しい会話をしてましたね。東京への新幹線も一緒に乗ってパンフレット見ながら帰った覚えがあります。

 

──この後、2017年4月に『t7s Longing for summer Again And Again ~ハルカゼ~』が発売され、3rdライブ『CHAIN THE BLOSSOM』へと続きます。

『ハルカゼ』の発売がライブの直前だったんですが、このアニメーションを見て心底感動したのを覚えています。事前公開のPVの時点でもただならぬ雰囲気は漂っていましたが、期待を越えて素晴らしかったですね。部屋の電気を暗くして繰り返し観てました。

特典の小説とインタビューも凄い内容で、ナナシスと茂木伸太郎に着いていくぞと改めて思ったのはこの瞬間でした。発売週の土日にすぐライブだったので、気持ちの整理が大変でしたね。『ハルカゼ』の発売前に先行上映会とトークショーがあったようなので、参加しなかったのが心残りです。

3rdライブも本当に素晴らしくて、このライブのBDは何度も見てますね。やっぱり『ハルカゼ』は演出も含めて感動しました。Le☆S☆Caは完璧な仕上がりでしたし、QoPはこの3rdライブが初登場だったんですけど圧巻のパフォーマンスでした。野村麻衣子さんの凄さが知れ渡った瞬間だったんじゃないでしょうか。4Uの単独ライブが発表されたのもこの時でしたね。

公演前後の空き時間は、フォロワーと幕張のサブウェイで時間を潰したりしてました。フォロワーのフォロワーも何人か集ってきて、初めて知り合った人もいたり、逆に自分が引き合わせるような形にもなったり。最終日の終演後には、幕張のサイゼリヤで感想を言い合ったのも良い思い出です。

このハルカゼ〜3rdライブの流れで特大感情になったので、ブログに何かしら書き残そうと頑張って記事にしました。頑張ってはいるんですが、読み返すと相当しっちゃかめっちゃかです。でもまあ熱量は今読んでも感じ取れるので、鉄は熱いうちに打てってやつですね。

 

──ハルカゼと3rdライブへの参加で、ナナシス熱がかなり高まっているように見えますね。

まさにそうだったと思います。アプリのイベントもしばらくの間は頑張ってました。ライブ直後に課題曲をハルカゼにしたTTNNが開催されていて、これも真面目に走りましたね。ただこのTTNNの期間がなぜか2週間あったんですよ。

ハルカゼの譜面ってめちゃくちゃ難易度低くて、あんまり上手じゃなかった自分でも簡単にフルコン出来たんですけど、裏を返せばそれくらい退屈なんですよね。正直なところ最後の数日間はしんどかったです。それでも仕事中はスタミナの回復に合わせて会社のトイレに駆け込んでました。

 

──これ以降、ライブイベントは翌2018年1月の4U単独公演まで空いてしまいます。どんな感じでナナシスとは付き合っていたんでしょうか。

2017年7月に、セブンスシスターズの新曲『WORLD'S END』が出ましたね。前作が『SEVENTH HAVEN』だったので相当ハードルは上がっていたと思いますが、一切引けを取らない曲でした。

この『WORLD’S END』はセブンスシスターズのインディーズ時代の楽曲っていう設定だったんですよね。PVが若干意味深だったのと、アプリ内でも特設ページみたいなものが用意されて、楽曲の背景にあるストーリーがそこで垣間見えるようになっていて。

当時のセブンスシスターズはかなりの部分が謎に包まれていたんですよ。それを自分の中で整理するという意味でも、この『WORLD'S END』を中心に据えてセブンスシスターズ関連の考察みたいなことをして、ブログで公開しました。

 

──この記事は結構反響があったとか。

セブンスシスターズってずっと謎だったので、多分みんな色々考えたり糸口を探していたんだろうなと。検索エンジンからアクセスしてくる人が非常に多かったです。特に、セブンスシスターズ周りの展開に動きがあった時なんかは顕著に増えましたね。

エゴサしたら結構面白いとか見方が変わったとか言ってもらえてました。この記事を読んでTwitterをフォローしてくれた人も居ましたね。読み返すと的外れなことも書いてるんですけど。

その後、2017年8月にはコミケがありましたね。ナナシスのブースも出展していたんですが、そこでグッズのお渡し会が開催されたんですよ。グッズ買ったらそれを手渡ししてくれるっていう。

敬称略で言いますけど、1日目は前田・川崎・野村・広瀬の4人で、前田・川崎ペアが商品を、野村・広瀬ペアがフライヤーを手渡ししてくれる。2日目は篠田・高井・中村・桑原の4人で、篠田・高井ペアが商品を、中村・桑原ペアがフライヤーを手渡ししてくれるという内訳でした。ナナシスの声優と接近する経験は無かったのですごい緊張しました。篠田みなみさんの実物が小さかったのが印象に残ってます。あんなにダンスで存在感あるのに。

この時期には777☆SISTERSの新曲『スタートライン』も発売されました。ただ、ライブから時間も空いてるし、イベントとかもそんなに無かったので、ナナシスに対するモチベーションを保つのは大変な時期だったかもしれません。

アプリのアクティブユーザーも伸び悩んでいて、「このままではヤバイのでは〜」って勝手に騒いでいた記憶があります。この頃にはi-n-g要素とかも追加されてたんですけど、i-n-gのレベル上げないと一部シナリオが読めなかったりと、新規ユーザーには厳しい仕様になってた気がします。

 

──実際、4Uの単独ライブを除くと2018年7月までナナスタが出演するライブは無い訳ですもんね。

更に1年くらい待たされるの知らずに騒いでるの滑稽に見えてきましたね。割と真面目にDonuts社の心配とかしてました。その過程で『単車の虎』というタイトルがDonuts社の一番の収益源になっているらしいぞという話題になったり。もしかすると『単車の虎』に助けられていた時期はあったのかもしれません。

話が前後しますけど、2017年7月には陣取りゲームこと『7th LIVE JACK』の第1回が開催されましたね。これもテコ入れ的な面があったのだと思いますが……。開発陣には失礼ですけど、結構迷走してたゲームだったように思います。最大瞬間風速的な盛り上がりはありましたが。

戦略性も多少はありましたが殆ど作業ゲーでしたし。消費ポイントがカリスマポイントだったので、ひたすらカリスマドーナツを食べ続けて、敵陣にポチポチ攻撃を仕掛けるっていう、理性との闘いでしたね。

キャラクターを6チームに割り振ってのチーム戦なんですけど、そのパワーバランスもバラバラだったりで。特に一番最初のチームクローバーは強すぎて、序盤でヘイトを買いすぎて袋叩きに合うっていうのがありました。それはそれでめちゃくちゃ面白かったんですけどね。

 

──チームクローバーにはマコトが居たんですよね。一部では玉坂マコト帝国と呼ばれていました。

担当キャラクターを最初に選ぶんですけど、そのキャラクターを選んだユーザー間でのランキング報酬なんかもあって。お兄ちゃん兵団が猛威を振るっていました。あれでキャラクターの人気分布が可視化されたように思えて、ある意味貴重だったかもしれません。

2017年9月には3rdライブの円盤が出たので、これを見返したりライブ音源CDを聴いたりして2034年を感じていたように思います。

 

──2017年11月には4Uのアルバム『The Present "4U"』が発売。そしてアプリの大型アップデートがありました。

4Uのアルバムは「本当に出るんだな」っていう感慨がありましたね。別に疑っていたわけじゃないですけど、ユニットの単独アルバムというのは初めてのことだったので。良いアルバムでしたし、翌年のライブに向けてかなり聴いてました。ドラマトラックも好きです。

あと、このアルバムの発売に合わせて、池袋でリリースイベントが行われていたんですよ。そこに足を運んだ時に色々思うことがあったので、ブログもまた更新しています。

  

 

ゲームの大型アップデートは大きな転機でしたね。t7s_staffさんは「発表があるので18時にTwitterに集合してください!」みたいなのをよくやるんですけど、この時は一体何なんだろうって思ってました。前から心配していたアクティブユーザーも回復してなかったと思うので、良くない方の発表も脳裏をよぎった気がします。

ただ実際は、音ゲー部分の改修アップデートをしますよという話で。2レーンの音ゲーが廃止されて、7レーンの音ゲーに生まれ変わることとなりました。アップデート直後は新しく始めた人も多かったですし、それまで離れ気味だった人も戻って来たりで、みんなナナシスやってたイメージですね。リザルト画面のシェア画像が無限に流れてきて、楽曲クリア報酬でセブンスコインが貰えたからガチャもガンガン回ってて。今思うと異様な光景ですけど、あの一体感は楽しかった。

2レーンの音ゲーはこれを機にプレイ出来なくなってしまって、そこは残念でしたね。珍しいタイプでしたし、タップ音も爽快で好きでした。曲によって判定の厳しさが違ったのは面白かったですけど。

 

──『Winning Day』の判定とか相当緩かったですもんね。

明らかにこれ判定違うだろってなってたら、アップデートの時に「楽曲毎に判定が異なっていたのを直しました」って言ってましたね。音ゲーでそんなことあるんだって思いました。

なんだかんだで愛されてた2レーンの音ゲーですが、アップデート前に支配人が譜面の詳細を書き残してくださった記事がありまして。アプリゲームって、サービス終了したり変更があると内容を振り返るのが難しい面があるので、そういう記録は資料的価値も高いですよね。

 

──2017年11月は盛りだくさんですが、このタイミングでブログ記事も投稿しています。

「誰かの背中を押す」っていうナナシスのテーマを取り上げたような記事を書きました。『スタートライン』の発売があったので何か書きたいって思ってたんですけど、形になったのはこの時期という。音ゲー大型アップデートの前には仕上げたいなと思ってましたね。

自分のことを棚に上げて偉そうにポエムみたいなことを書いています。今これ書けって言われても絶対書けないでしょうね。当時はここで紹介してる楽曲をひたすら聴きまくっていて、自分もやりたいこと見つけなきゃなあとか思いながら仕事に行ってましたね。

 

反響というか良かったと言って下さる声もあって、これきっかけで相互フォロワーになった方も結構います。あと、この記事を受けて「自分もナナシスについて文章を残そう」と思ってくれたという方もいて。バトンが繋がっていくような感じがして嬉しかったですね。

 

──2017年の冬コミでは公式同人誌第2弾の『OMOIDE IN MY HAND』が発売されました。

ルイとマナの表紙が話題になりましたね。告知のタイミングでキービジュアルが出ていて、当時はセブンスに関する考察が相当熱かったように思います。あとタイトルがタイトルだったので、茂木さんらしいねみたいな盛り上がりも見せてました。

自分は1日目に行って入手しました。ブースも結構な盛況でしたね。公式同人誌ってなんなんだ?っていうのは今でも思ってますが。

 

──さて、年は変わって2018年1月。まず4Uの単独公演がありました。

1月が大阪公演、2月が東京公演でしたよね。大阪公演には夜行バスで向かったんですけど、隣に座ってたのが支配人だったっていうレアイベントがありました。

 

会場がライブハウスで、オルスタで生バンドで……と最高の舞台でした。ライブ自体も流石4U、バカ楽しくて2ndライブ以上に興奮した記憶があります。『SAKURA』と『You Can't Win』のカバーも高まりましたね。4Uの凄さを思い知らされたライブでした。

この時はフォロワーさんを通じて関西の支配人と知り合う機会もありまして。大阪で飲んだのが楽しかったです。遠征になるし行こうか迷ったライブでもあったんですけど、参加して良かったなと思います。

2月の東京公演にも参加しまして、こちらはドームシティホールでの開催でした。この時は2ndライブと2.5ライブで会った人たちがうまい具合に集結していて、終演後に飲みに行きましたね。この日は朝まで飲みました。楽しかったです。

 

──ここから2018年7月の武道館ライブまでは、しばらく期間が空きますよね。

そうですね。この間にCi+LUSがデビューして、お兄ちゃんたちが踊り狂っていたように思います。新カードの時はガチャ通知が凄かったですね。NI+CORAの妹分っていう設定も意外性があって面白かったです。

あとは2018年2月にリットーミュージックからナナシスの音楽解説本が出ました。文量がえげつなくて、一日では読み切れなかったのを覚えています。あと表紙が最高過ぎる。

 

武道館ライブ直前の2018年6月には『THE STRAIGHT LIGHT』が出ましたね。3枚目のアルバムということになるでしょうか。これが本当に良いアルバムでした。トレーラーで『プレシャス・セトラ』を聴いた時とか(なんだこの凄い曲は……)って恐れ慄いてましたね。フル聴いたらもっと凄かった。

このアルバムのジャケットと、武道館ライブのキービジュアルもそうなんですが、キャラクターが円陣組んでて表情が見えないんですよ。アイドルコンテンツの、それも勝負プロダクトでこういう魅せ方するって、相変わらず尖り方が違うなって思ってました。

 

──『BOLERO』辺りのMr.Childrenくらい尖ってますよね。

あ、そういうのは別にいらないですよ。

 

──カイジの顎くらい?

雑になるのやめろ。

 

──このアルバムは周りでも本当に評判が良かった印象です。

『スタートライン』と『STAY☆GOLD』が、アルバムの流れで聴くとシングルで聴いていた時より染みるというか、スッと入ってくる感じがしたんですよね。茂木総監督が書き下ろしたインストトラックが2曲収録されてたのも大きかった。Disc1の完成度というか纏まりの良さは凄かったです。

あとは『14歳のサマーソーダ』で色々とめちゃくちゃになって怪文書を書きましたね。サンボンリボンの話とかしてます。 

 

 

──そして2018年7月20日。武道館公演こと、メモリアルライブ『Melody in the Pocket』の当日を迎えます。

来ましたね、武道館。この日はめちゃくちゃ晴れてて、まさしく夏本番という感じだったのが印象深いです。グッズ販売の列に並んでるだけで汗だくになりました。

ライブに関しては感想を文章などに残せていないのが心残りですが、冒頭の登場シーンから感極まりましたね。2ndライブ~3rdライブの頃ってそんなに楽曲が増えてなくて、777☆SISTERS派生ユニットは特にセトリが固定になりがちだったんですけど、この日は新曲もあって最高でした。

ラストの『STAY☆GOLD』の光景はもう、歌詞の通り奇跡でしたね。『またあした』の合唱も、会場が一体になっていて。凄いものを見ました。

後にこのライブ自体がモチーフとなってEP4.0に登場するんですよね。Tokyo 7th シスターズというコンテンツにおいてもターニングポイントとなった、本当に重要な瞬間、空間だったんだと改めて思います。

 

──ナナスタのメンバーだけで平日の武道館を埋めてみせたのも凄かったです。

そうですね。キャストが発表されてレジェンドやライバルが不在だと分かった時は、「流石にチケット余るんじゃないの?」という声が大半でしたし、自分もそう思ってました。SOLD OUTのお知らせがあったときは感慨深かったです。

ライブが1日程のみ、1公演のみだったというのも手伝って、この日はTwitterの支配人大集合の様相を呈していました。打ち上げが某所の■の蔵で行われて、顔馴染みのフォロワーから、初めて会う長年の相互フォロワー、RTで見たことあるフォロワーのフォロワー、鍵垢で知りようのなかったフォロワーのフォロワー、そしてそのフォロワー……とにかくごちゃ混ぜになって朝まで泥酔しました。

 

──噂に伝え聞く『2034年の■の蔵』ですね。

ライブが最高だったので、テンションも変になってたんでしょう。自分は初対面の方も多かったんですが、何かずっと楽しかったです。

周りのお客さんが帰ってからはフロアが貸し切り状態になって、スマホで音楽流して歌ったり踊ったりしてました。『FUNBARE☆RUNNER』を流して振付を真似するっていうのをやりましたけど、バトンパスが繋がった記憶があるので少なくとも12人以上は居たんじゃないかと思います。午前3〜4時くらいの出来事だったような。

 

──迷惑行為では?

店員さんは「こいつら早く帰んないかな」って気持ちだったと思います。すいませんでした。

 


 

後編に続きます!

 

 

 

くろろのたのしいディスカバリー(2021年1月)

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1ヶ月の良かったものを振り返るコーナー。

 

TVアニメ「22/7」Mission Paradise(2021.1.11 参加)

22/7のアニメイベント。元々は去年に開催予定だったのが延期され、ようやく開催された格好である。前半がトークで後半がライブという構成。前半はアニメに関連したクイズだったりアニメに関係ないゲームをやったりしていた。

アニメイベントということもあり、後半のライプパートではアニメEDで使用されていたキャラクターソングが披露された。去年の11月のライブでもキャラクターソングの披露はあったが、その際は1コーラスだけだったのに対して今回はフル歌唱。『孤独は嫌いじゃない』のダンスが段々好きになってきた。『夢の船』で和傘を持って踊る倉岡さんも美しく、後日『ヨルナイト』で暴露された裏側エピソードも含めとても良かった。

11月のライブでは8人曲だった『ムズイ』と『空のエメラルド』が11人曲として披露されたが、今回はデビューシングルである『僕は存在していなかった』が11人仕様に。8人と3人という線引きに対するあれこれはここで語り尽くせない程にあるので置いておくとして、この楽曲を全員で歌唱する瞬間がようやく来たのだという喜びは非常に大きい。

しかしその一方で、あとほんの少し早くこれが実現出来なかったものかとも思ってしまう。というのも、柊つぼみ役の武田愛奈さんは2020年12月31日を最後に自身の学業のために休業に入ってしまっている。これまで11人という数字に拘り、またある意味で演出もしてきた22/7にとって、「デビューシングルを11人で歌う」というのは最重要といってもいい出来事であるし、そのカタルシスに相応しい舞台、場所、シチュエーションが用意されて然るべきなのだが、実際は10人での披露というどこか中途半端な形になってしまった。

22/7のスタッフを無能だとは思わないし、 誰が悪いと批判したい訳でもないのだが、機を待ち続けることで不運な巡り合わせやタイミングが重なって良くない方向に進んでしまうこともあるのだと感じた。長らく待ち焦がれていただけに、不完全な形での『僕は存在していなかった』はどこか悲しく響いてしまった。

とは書いたもののイベントは大ボリュームで満足度の高い素晴らしいものだった。2月末のパシフィコ横浜でのライブへの期待も高まった。

 

 

瀬名秀明『魔法を召し上がれ』(2021.1.18 読了)

魔法を召し上がれ

魔法を召し上がれ

  • 作者:瀬名 秀明
  • 発売日: 2019/05/16
  • メディア: 単行本
  • オススメ度: ★★★★★★★★☆☆
 

ツイッターの方から借りていた本。読むのを一旦止めてしまい、かれこれ1年くらい借りっ放しだった気がする……。

レストランでテーブルマジックを披露しているマジシャンが主人公。マジック、ひいては"魔法"というものに対する捉え方が非常に美しく、全体を通してその哲学が根底に敷かれている。序盤が終わる頃からロボットが普及しつつある近未来の話であることが分かってくるのだが、このロボットと魔法の組み合わせというのがまた良かった。

マジックの具体的な描写が新鮮であり、脳内に思い浮かべながら読み進めるのが楽しかった。第二章では『美女と野獣』のモチーフが重厚に散りばめられ、そこで巻き起こる男女のロマンチックなやり取りと、その非日常を演出する魔法の存在、この辺りの文章が本当に感動的かつ巧みでもあって素晴らしかった。

 

 

舞台『勇者セイヤンの物語 〜ノストラダム男の大予言〜』(2021.1.22)

22/7の高辻麗さんがヒロインとして出演する舞台『勇者セイヤンの物語 〜ノストラダム男の大予言〜』を観てきた。開催延期や大阪公演の中止を経て、また東京公演も主要キャスト以外はマスク着用という形での開催だったが、1月21日〜1月24日の4日間、マチネソワレを含め無事走り切れたようで良かった。俺は2日目の夜公演に参加。勇者セイヤンシリーズは他のものを全く観ていなかったので少し心配だったが、単独でも十分に楽しめる内容で素晴らしかった。

高辻さんはこれが初めての舞台。オープニングアクトでダンスと共にキャストの紹介が行われるのだが、高辻さんはヒロインということで一番最後に紹介された。OP曲のクライマックスに合わせて『高辻麗』の名前が会場モニタに表示される瞬間は心に来るものがあった。

シリーズを通してRPGの世界が舞台になっているようだが、今回の物語ではそのRPGという設定の活かし方が非常に面白かった。RPGには主人公が一人だけというのが通例だが、今作では1つのRPGに2人の主人公が同居してしまうというイレギュラーが発生してしまい、そのイレギュラーが波及していく形でストーリーが膨らんでいく。高辻さんはヒロイン役だが、ヒロインもまた1RPGに1人の役職と言えるので、この辺りの扱い方も面白かった。

設定やストーリーも良かったが殺陣などアクションシーンも迫力があり、最後までずっと楽しめるエンターテイメントに富んだ舞台だった。高辻さんの演じるキャラクターは、22/7で演じている東条悠希とは大きく毛色の異なるキャラクターだったので、彼女の幅の広さを感じさせられた。舞台でも声優でも、何かを演じる仕事が今後増えていくとファンとしては嬉しいところである。

 

 

TENET テネット(2021.1.24 視聴)

TENET テネット(字幕版)

TENET テネット(字幕版)

  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: Prime Video
  • オススメ度: ★★★★★☆☆☆☆☆
 

Amazonプライム・ビデオで『インセプション』を観たのを皮切りに、『インターステラー』を観てこの『TENET テネット』も視聴した。前者二つは無料配信中だが、TENETに関しては無料配信は無いのでプライムビデオのレンタルで視聴した。400円くらいで買った瞬間から見られるのでまあお手頃。

難解な映画という前情報はあり、公開時期のタイムライン上からも一筋縄では行かない映画であることが何となく感じ取れた。「難解だか知らんが理解してやるぜ、対戦よろ」という感じで見始めたが、案の定まともに理解出来ずに終わってしまった。複数回見返したり、解説サイトなどを参照することでどうにか自分の中に落とし込めた状態である。

俺の頭の出来が悪いのは大いにあるが、それにしてもあれを一回見ただけで理解するのは到底無理だろうと思う。120分の映画なら120分の中だけで楽しめるように作るべきだという考えを俺は持っていたし、おそらくそういう意見が公開当時も猛威を振るったであろうことが想像できる。ただそういった考えを取り払い、映画の内容を後から反芻して整理した上で複数回劇場に足を運ぶというのが新たな様式として提示されたのかもしれない。そういった意味で本作は何か大規模な実験というか、全世界の人間を対象にした治験というかそんな感じにも思えた。

内容の理解には苦労したが、本作のギミックを取り入れた映像は新感覚で楽しかったし、頭は混乱していたものの視覚は終始喜んでいた。劇場で見ないといけない作品だったな。あとヒロイン役のエリザベス・デビッキさんがマブかった。

 

 

VTuber Fes Japan 2021 1日目(2021.1.30 参加)

 

個別で記事を作っているが、『VTuber Fes Japan 2021』の1日目に参加してきた。VRアイドル『えのぐ』を見たいと思って参加したのだが、様々な出会いや発見があり、久しく感じていなかったワクワク感や興奮を覚えた良いイベントだった。

VTuber文化の良さに改めて触れたというか、色々と意識の転換をもたらしてくれたように思う。今はイルミの針を抜いたキルアのようにクリアな状態である。そういった面では自分自身にとっても非常に有意義な時間だった。

 

GEMSCOMPANY城乃柚希 卒業記念企画動画【非公式】

VTuberフェスの記事でも取り上げているが、GEMS COMPANYの『ゴールデンスパイス』が非常にいいパフォーマンスだった。コメントを表示しながら配信映像を見返していく中で、メンバーの城乃柚希さんが1月で卒業、VTuberフェスが最後のステージになるという情報を目にした。

彼女のツイッターを見ていく中で、彼女がRTしていたこの動画のリンクが目に止まった。ファンの方々が有志で制作した卒業記念企画動画ということらしい。正直なところジェムカンのメンバーについては何も知らず、顔と名前が殆ど一致しないレベルなのだが、この動画を見て痛く感動してしまった。

外野が言うのもなんだがこんな風に送り出して貰えたら嬉しいだろうと思うし、バーチャルも生身も関係なく心が通い合う瞬間というか、本当に素晴らしい文化だなあと思った。

 

 

燦鳥ノム『Life is tasty!』

1月末のVTuberフェスに向けて予習をしたり、また実際に参加する中で、良い楽曲に出会う機会が多かった。ターゲットの年齢層も自分とは違うだろうと敬遠していた部分もあるが、熱いジャンルということもあり実力のある作曲家もハイペースで楽曲を卸しているように思う。

VTuber Fes Japanの1日目に現地参加した翌日、興奮醒めやらぬままに意気揚々とバーチャル世界にダイブし、金脈を掘り当てようとツルハシを振り下ろした結果、早々に行き着いたのが、"サントリー公式バーチャルYouTuber"こと燦鳥ノムさんであった。

前述したVTuberフェス2日目にも出演していたが、それまで存在を全く知らなかった。読み方さえもわからなかった。サントリー飲むって、そのまんまやんけ。コラボで歌っていたもののオリジナル楽曲の披露はなく、ソロでの歌唱も無かったので実際のところそこまで印象に残った訳では無かった。だがオリジナル楽曲がサブスクにあったので聴いてみたところ、これが凄まじかったのだ。

サブスクにあるオリジナル曲は3曲だけなのだが、どれも甲乙つけ難い程に素晴らしい。中でも初のオリジナル楽曲に当たる『Life is tasty!』は聴いた瞬間に衝撃が走った。サントリー公式キャラクターということで、彼女はサントリー飲料のキャンペーンガール的な役割を担っているようだ。そんなキャラクター性を損なわない、「忙しない毎日に束の間の休息を」と日常に寄り添うような、まさしく清涼飲料水のような歌詞が素晴らしい。清涼感と艶やかさが同居した歌声は美しく、バンド、ストリングス、ピアノの楽器群によるサウンドはリッチかつ滑らかで、この両者の調和が絶妙で非常に心地良い。

2曲目『君にルムウム』はリズミカルで可愛らしいのが最高。「見ル・飲ム・食ウ・読ム ルムウムざんまい」という歌詞が天才的。こんなのどうやったら降ってくるんだ。『僕たちはまだ世界を知らない』はストリングスとピアノが特に綺麗で、透明感と壮大なスケール感が共存した美しい楽曲だった。GLAY作曲であり、「GLAYらしさを感じる」という意見も多いようだった。GLAYを殆ど聴いてこなかったので俺に語れることはあまりないのだが。

音楽面においてはプロデュースの方向性や本気度合いを見るに期待しか出来ないので、今後のオリジナル楽曲が楽しみである。ペースが遅くても良いので引き続きハイクオリティなものを作って欲しい。

 

YouTubeでのラジオが先週あたりから始まっていて本日第3回が放送されていた。声が綺麗でキャラクターも愛らしくて癒される。清楚で上品な雰囲気を纏う一方、屈強なマイペースというか、他人にペースを乱されない強さがあり、時折見せる鋭利な切り返しやブラックジョークも侮れない。これでいて歌も抜群に巧いのだから、サントリーの刺客という感じである。一体何者なんだ……。

第2回ではなんと畑亜貴さんがゲスト出演するなど地味にヤバいラジオである。長く聴ける番組になりそうで楽しみ。

 


 

お分かりかもしれないが、今書いている時点ではVTuber関連への熱が高い。以前はそこに後ろめたさというか引け目というかがチラついたのだが、やはりVTuberフェスで色々な意識が変わったように思う。

その他にも1月はバイクを買ったというのが出来事としては大きい。今は寒いので気軽に乗り回すのは難しいが、春先にかけては気分転換のお供としても活用していきたいところである。初心者だが初心者なりの目線でバイクの記事なんかを書いて見るのも良いかもしれない。

 

Discovery by Mr Children (1999-02-03)

Discovery by Mr Children (1999-02-03)

  • アーティスト:Mr Children
  • 発売日: 1999/02/03
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★★★★★★