くろろのたのしいディスカバリー(2026年8月)

 

『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』(2026.8.1 視聴)

ちいかわの映画を映画館で視聴。まったくの未履修だったけど、原作についても事前に読破した上で視聴した。ファーストデイの土曜日という条件が重なった故かもしれないが、映画館はちいかわを見に来た人で溢れていて、覇権コンテンツの凄さを感じた。

ちいかわを履修したことで、世の中に溢れるちいかわグッズに目が行くようになったというか、「本当にどこにでもあるなあ……」というのを実感するようになったのも、予想外の副産物だった。世界の見え方が変わった(誤用)ような感じがある。

映画本編は作画がリッチで劇伴も壮大で良かった。歌のシーンに実際に音楽が付くと入ってくる情報量というかパワーが違う。『島のうた(祭囃子ver)』は壮大なスケールのトロピカルなサウンドがまさに劇場版という高揚感をもたらしてワクワクしたし、アカペラVerもセイレーン役の鈴木みのりさんの歌声が素晴らしかった。原作は読んだがアニメ版は見ていなかったので、声とアニメーションが付いたキャラクターたちは魅力が数段階も増していて感激だった。

前半はシンプルで分かりやすいしアクションも多めで、小さい子どもでも飽きない映像になっていた。一方で、ヒトバとフタバにフォーカスしていく終盤のシーンは、絵としては地味めで間も多く取られていて、小さい子どもには退屈に映っていたのではないかと思った。実際、近くに座っていた家族連れの子どもは集中を切らしたのか「ねえ、まだ終わらないの?」みたいなことを言っていた。『ちいかわ』は元々別に子供向けの作品ではないけど、終盤のテンポや作劇は大人の観客を想定したものになっていたように感じた。一つの映画内でターゲット層を分けているとしたら、家族連れの親子双方が楽しめる設計という離れ業ですごいなと思った。

 

映画『メメント』(2026.8.9 視聴)

メメント

メメント

  • ガイ・ピアース
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アマプラで視聴。中学生の頃に見た『ガチ☆ボーイ』という映画のことをふと思い出し、詳細を思い出したくなって映画レビューを見ていたら、類似作品としてこの『メメント』が挙げられていたので見てみた。クリストファー・ノーラン監督の2作目で出世作とも言われているようだ。

ノーラン作品らしく時間の扱い方が特殊で、一度の視聴では時間軸が整理しきれないところもあった。二週目を見たり、解説サイトも読んだりしていくことでその辺りは補完出来た。『TENET』を見た際にも同じようなことをしたけど、そういった補完作業も含めての視聴体験という感じがあり、これはこれで面白い。一つの作品について長く考えさせるというメリット?があるとも言える。

ストーリーの本筋からは離れるかもしれないが、「人生には物語と燃料が必要である」ということを感じさせられた。主人公は妻殺しの犯人への復讐を企てており、それが彼の生きる理由になっていた。自分の人生に目標や設定を付与することで、それを原動力にして生きる。それ自体は素晴らしいことではあるが、ではその目標が果たされてしまった場合には、どうすればいいのか。主人公の選択は「再度復讐の物語を作り直す」ということだった。

「苦しい物語を終えて燃料が無くなった状態」と「苦しい物語が続くが燃料がある状態」では、どちらが良いのか。物語を終えても、次の物語を見つければ燃料は湧くだろうが、そう都合良く見つかるかは分からない。だとすれば、物語の終着を躊躇うことは間違いだと言い切れるだろうか。そんなことを考えさせられた。

 

キタニタツヤ『遺書』(2026年8月 視聴)

7月から放送中のアニメ『これ描いて死ね』のオープニング主題歌。8月に入ってから見始めたので8月の記事に。創作を少しでも齧った人間であれば、この主題歌や本編に心を動かされない方が難しいのではないかとさえ思う。

「この人生を消費すること全部でこれを描いて生きる」

『メメント』の項で書いたことにも重なるけど、自分の人生のかたちは自分でデザイン出来るんだなあということを思う。どのような物語を付与し、何のために命を燃やすのか。まあ”本物”はそんなデザインをするまでもなく、人生がそのようなかたちに自然になっているのかもしれない。

 

映画『国宝』(2026.8.11 視聴)

個別記事を作成済。悪魔との契約が狂気を降し、観客に拍手を促すほどの"芸"が結実する――、そんな話だと思った。劇場で見た方が良かったね。

 

長久允『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』(2026.8.20 読了)

フォロワーさんが読んでいて気になった本。電通の会社員として働きつつ映画制作を進め、有給休暇10日間の内に撮影した短編映画がグランプリ受賞し一躍有名に……という経歴の映画監督が著者。小説のハウツー本みたいなのは読んだことがあったけど、テクニック面や映画制作の予算感などは、知らない分野だったので新鮮で面白かった。

”教室”ということで脚本テクニックについても記載があるが、どちらかと言えば「自分の思うがままに創ろう」というメッセージが前面に出ていた。うまい脚本を書くよりも、自分にしか書けない脚本を書くことに価値があると。脚本を書くということは「客観的に(自分の人生を振り返り)、おもしろがる」行為。」(196/208㌻)という言葉も印象的だった。

 

餅屋蛾『ダクダデイラ』(2026.8.30 読了)

個別記事を作成済。「ネット上の怪文書をまとめた」という体裁のモキュメンタリーホラー小説(最近覚えた言葉)。ネット上の怪文書の温度感がリアルで良い。終盤で地獄みたいな展開になり凄惨な描写を見せつけられるが、そうした体験も含めて面白い作品だった。

 

ハッピーラッキーチャッピー / covered by 赤羽葉子×本間ひまわり×笹木咲×椎名唯華×魔界ノりりむ(2026.8.31 配信)


ゲーマーズ女子、通称げまじょの歌ってみた動画。5人がそれぞれ持ち回りで企画を立案していく建前になっているようだが、ほんひまとりりむの2人が企画をして以降、4年以上の時が経ってしまっている。自然消滅したものと思われたが、赤羽葉子さんが最近活動に積極的なのも手伝ってか、彼女が企画したこの動画が生まれたという形だ。

配信などを見ていると、げまじょは素行の悪いクセ者集団という印象になってしまうのだが、歌声を聴くとみんな声が良いことを再認識させられる。バネゴの絞り出すような歌い方は個性的でかなり印象的。椎名は普段の喋り用と歌唱用で声帯が二つあるのではないかと思わせるくらいに声の雰囲気が違ってて惹きつけられた。

タコピーの原罪は見ていたんだけど、この楽曲が主題歌だったことは頭から抜けていた。何か聞き覚えのある曲だなあ、くらいの感覚でしばらく聴いていた。

 

初星学園 「ねえ、言っちゃうよ。」Official Music Video(2026.8.17 配信)


学園アイドルマスターの新曲。夏の終わりを感じさせる、切なく慕情的なサマーチューン。ギターが心地いい。儚い歌声と力強い歌声が混ざり合うボーカル人選も素晴らしいと思う。