Kindle Direct Publishingで電子書籍を自費出版する

タイトルの通りKindleで電子書籍を販売開始してみました。過去に書いたオリジナル小説をひとまず二つほど。プラットフォームはKDP(Kindle Direct Publishing)を選択。自費出版とタイトルに書いてはいるが、費用は一切かかっていない。

電子書籍の個人販売というと結構大変そうだなみたいに最初は思ったのだが、やってみたら案外簡単だった。電子書籍販売のプラットフォームとしてはAmazon(Kindle)の他にもBook Walkerや楽天Koboなどがあるみたいだったが、人口が多そうなのでKindleを選択。色んなところで販売することも可能だが、Kindle独占販売にすることで恩恵を得られるプランがあったので今回はそれを選んだ。

 

Colors

Colors

 

 

スクラップ・ロイド

スクラップ・ロイド

 

 

*初期設定

KDPにアクセスし、Amazonのアカウントでログイン。売れた場合はロイヤリティを受け取ることになるので詳細な住所に加えて銀行口座の登録も行う。その後、税金に関する設定も行うことになるのだが、Amazonが米企業ということもあってここは少々面倒臭かった。でもシンプルに回答していけば無事に設定が完了する。

 

*本のアップロード

出版したい本をアップロードする際の様式は、テキストファイルか、.docxファイルか、.epubファイルとあった。テキストファイルではうまくアップできず、EPUB作成ツールを無料で探したがピンと来るものが無くて投げ出しかけたが、.docxファイルで特に問題なくアップロード出来たので、ひとまずこれで対応。章分けだったり扉絵なんかをうまく挿入したいのならEPUBで予め作り込んでアップすることになるんだと思うが、現状ではテキストデータを流し込んでいるだけなので特に不便を感じることはない。

このアップロードが無事に出来れば、カテゴリーやキーワード、あらすじ等を設定して内容に関してはほぼ完成。あとは表紙の設定を行う。表紙のイラストは、フリーで配布されている素材を使用させてもらった。タイトル等は自分で加工して入れたが、だいぶ突貫なので修正しようと考え中。

 

*フリーイラスト

・星宝転生ジュエルセイバーよ永遠に(http://www.jewel-s.jp/)

フリー素材のイラストや写真のサイトはいくつかあるが、今回は少し特殊なところから借りた。まず一つは「星宝転生ジュエルセイバーよ永遠に」。「星宝転生ジュエルセイバー」というソーシャルゲームがあって、2013年にサービス終了してしまったようなのだが、その素材データが無料配布されているのである。キャラクターデザインも豊富にあり、こんなに時間をかけてもサービス終了してしまうのかと思ってしまう。

こちらは『Colors』に使用させていただきました。女の子が色の無い写真の中に入っちゃうお話です。15,000字くらい。

・ノーコピーライトガール(https://fromtheasia.com/illustration/nocopyrightgirl)

名前の通り、著作権をほぼフリーとしてオリジナル絵を描いている方がいるので使用させてもらった。商業目的で使う場合は改変などはやめてねということだったが、基本的に制限も緩い。非常に雰囲気があってだいぶ表紙負けしているが、それでも使うに越したことはない。

こちらは『スクラップ・ロイド』に使用させていただきました。自殺志願をするアンドロイドと、ゴミ収集業者である主人公が出会うお話です。30,000字くらい。

 

*価格設定

Kindleのロイヤリティは2種類に分かれていて35%か70%となっている。そんなん70%の方が良いじゃんとなるが、70%だと設定可能な最安価格が高くなるので、単純な話売れにくくなると思われる。70%だと最安価格は250円だった。35%だと100円くらいになるらしい。

他にもオプションのようなものがあり、俺が加入したのはKDPセレクトというもの。これに登録した本はKindleでの独占販売商品となって、別のプラットフォームでの販売が出来なくなるのだが、Kindle Unlimited(読み放題サービス)やKindle オーナー ライブラリー(買った本を他人に貸し出せる)の対象へと追加され、読まれたページ数に応じたロイヤリティが発生するようになる。

個人的な考えだが、100円だろうが250円だろうが知らない作者の作品を購入してくれる聖人君子は殆どいない気がしたので、読み放題サブスクのKindle Unlimitedで読める状態の方がまだ読んでもらえる可能性があるのではと踏んでの判断である。

 

そんな訳で電子書籍を出版をすることは叶った。とは言っても過去に書いたものをリサイクルしたに過ぎない。よって、特に大きな感慨がある訳でもない。ひとまず足場を作ってこれから動けるぜっていう状態にしただけだ。

創作に限らず、こういった状態まで作って満足して終わるというのはしょっちゅうある。形から入るというやつの典型である。なまじストックがあると、それを使ってお手軽に実績みたいなのを作れてしまう。このリサイクルというのか、過去にやったことを並び替えたりして何かをやった気になるっていうのはマジでよくない。次はもう少し汗をかいて作ったものを送り出したいところである。

出版したとはいえマーケティングなど何もしておらず売れる気配は今のところないので、読んでもらうためにはその辺りも考えなくてはならない。もちろんコンテンツを作るのが一番大事なのだが。