相武紗季さんを取り戻す

 

前回の記事で相武さんについて触れたら、色々と懐かしくなってしまった。ファンだった当時のように、出演番組を全部チェックして、掲載雑誌も全部チェックして……というのはもうやろうとは思わないものの、昔の相武さんの出演ドラマとか出演映画とかを見たいという感じになってきた。

そんな訳で早速、Amazonで相武さんのDVDを購入した。俺はこういうところだけは行動力がある。ちなみに相武さんのDVDの中でも、相武さんがデビューし立てで殆ど無名だった頃のものである。相武さんはガッキーとか戸田恵理香さんとかの世代なのだが、正直言ってだいぶ差を付けられてしまっている感じがある。高校時代、俺の同級生たちの間で好きな女優は誰かという話題になると、たいていがガッキーか戸田恵理香さんを支持していた。

まあそんな感じの女優さんなので、別にデビュー当時の主演作品がプレミア価格になっているということもなく、500円くらいで購入できた。他の作品では1円で出品されてるものもあったので悲しいことだと思う。まあヒットしなかった映画の市場というのは平均してこんなものなのかもしれない。

 

ビートキッズ [DVD]

ビートキッズ [DVD]

  • 発売日: 2005/10/29
  • メディア: DVD
 

今回見たのはビートキッズという映画。2005年のもの。

相武さんファンだった中高生時代の俺には過去のDVDを全部揃えるだけの財力が無かったため、この作品を見るのは今回が初めてということになる。中高生時代の俺は、バイトなどを始めてお金が入るようになったら絶対に過去の作品を見返してやろうみたいな魂胆でいたと思うのだが、相武さんへの思いはアルバイトを始める前に自然消滅してしまっていたので、結局今の今まで視聴することが無かった。そう考えると何だか感慨深いものもある。「時間もあるし、残りの大学生活で何となくやり残したこととかやっておこう」みたいな動機であるとはいえ、中高生時代の俺の夢が叶ったわけだ。

 

肝心の内容だが、想像していたよりいい映画だった。ガチガチの青春映画という感じで、高校生に戻りたくなってしまった。1時間ちょっとのショボい映画かと思っていたら、2時間しっかりとやる感じだった。

"ハングリーデイズ"という、実際に存在していた若いバンドが作中でもそのまま登場するという構造になっている。ちなみに今も存在しているのか定かでない。相武さんは主演ヒロインではあるが、相武さん単独というよりは相武さんとハングリーデイズのダブル主演という感じか。今でこそ有名女優の相武さんだが、デビュー当時はやはりこうした下積みをしっかりやってきたのだということがわかる。

 

 

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相武さんの役は、なんとボクっ娘。これは見るまで知らなかった。貴重である。

天才ドラマーの高校2年生であり、吹奏楽部の監督みたいな立ち位置で部を牛耳っている。性格がキツくて教師にもタメ口を使い、部員にも上から目線で支持を与える、鼻につく感じの配役だが、俺としてはこういう役の方が相武さんの良さが出ていると思う。

相武さんは明るさと笑顔で人気になった人だが、生意気な印象を与える演技もこれはこれでいい。相武さんはあまり演技が上手でないというか、どうにもわざとらしく映ってしまうので、棒読みな感じがうまくハマるのかもしれない。最近はもう28歳になってしまったのでそういう配役はあり得ないが。

 

 

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かなり摩訶不思議な服を着ている。私服OKの高校みたいなので、おそらく相武さんの役の私服。

 

 

 

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「自己PRを20秒以内で述べよ」というセリフがいきなり出てきたので死ぬかと思った。部員の全員が時計を出して主人公にアツい目線を送る。序盤のこの演出でこの映画は大丈夫か心配になったものの、コミカルさも盛り込んだアツい青春映画という感じで、期待値が低かった分満足度が高い内容だった。相武さんのファンでない人が見たときにどんな感想を抱くのかはちょっとわからない。

強いて言うならば構成が前半と後半に分かれていて、後半部分では相武さんの出る幕が殆どなかったのが残念。後半は後半で、青春っぽさは増すのだが。全体的に詰め込みすぎている感があるので前半だけに絞っても良かったのかもしれない。シリアスで重い雰囲気になったかと思いきや、ロックな挿入歌がかかり始めるなどバラつきがあった。未回収というか目を反らしている部分が多くあり、しかしそれを全部青春のノリで片付けてしまおうという感じ。

 

 

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見せ場となるマーチングバンドのシーンでドラムを叩く相武さん。出演が決まってから猛練習したらしい。

 

突っ込みどころや薄っぺらい部分はいくつかあるものの、それを補うだけの若いエネルギーに溢れた作品だったと思う。何より若かりし頃の相武さんが見れたのが良かった。今でこそ丸くなっているが、体当たりで挑んだ尖った役を見れたのは収穫。500円で買ったけどそれ以上の価値はあった。メイキング映像も充実している。

相武さんの関連商品をおすすめするブログになりつつあるので心配だがとりあえずオススメしておきたい。