新海誠の『言の葉の庭』

 


『言の葉の庭』 予告篇 "The Garden of Words" Trailer - YouTube

 

 

秒速5センチメートルで有名な新海誠さんの最新作(といっても去年の作品)をレンタルして視聴したので記事にします。関係ないけど、TSUTAYAに行けば映画が100円で見れるっていうのはすごいことだと思う。この作品に関しては劇場で見るべきだったと思うが……

 

内容に深く触れるのもアレなのでざっくり言うならば、雨の日に学校をサボって新宿の日本庭園に来る男子学生と、職場のトラブルやらでたまに仕事をサボって日本庭園に来る社会人女性が、いい感じで出会って何やらかんやらという話。ざっくり言い過ぎた。まあ予告編を見てください。

前作の『星を追う子ども』が、『秒速』と打って変わって長編ファンタジーだったので今作はどんな感じになるのかと思っていたが、路線を戻してきた感じ。『ほしのこえ』みたいにSF要素も無ければファンタジーでも無い、ごくごく現実的なボーイミーツガールだった。

 

 

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ウリであるところの作画・映像の綺麗さは言わずもがな。今作は"雨"が重要な役割を持っていたが、映像以外に雨音なんかも非常に良かった。BGMも綺麗な曲が多かったけど、エンドロールの音楽のところを見たら天門の文字は無かった。天門と新海フィルムはセットみたいなところがあったので少し意外。

 

 

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ヒロインが平日の昼間からビールを飲む女性。なかなか冒険している。しかも金麦である。金麦をチョイスしたのには何か理由があったのか、金麦で待っているというメッセージが込められているのか、それは新海誠さんに直接聞かないとわからない。

公園で一人のんびりビールを飲むというのは一度くらいはやってみたいとは思う。

 

 

 

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主人公の男子高校生が靴職人を目指しているという設定なので、その一貫で足の寸法を測らせてもらうシーン。足フェチにはたまらない映像である。靴もキーアイテムとなるため、このシーンに限らず足の描写には凝っている。特典映像のインタビューで言っていたことだが、新海誠さん自身も足フェチのようだ。

 

 

 

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本編も良かったが、特典映像のインタビューも見ごたえがあった。新海誠作品のDVDでは必ず特典映像に監督インタビューがあり、そこで作品のポイントだったりこだわりだったりを解説してくれる。

ただ、こだわった点を解説しすぎる傾向があるので、そこでちょっと萎えてしまうということもある。「ここでの主人公のこの行動は実はこういう考えから来ていて、だから実はこういう性格も隠し持っていて~」みたいな。この人の作品に関してはそういう情報を聞いてもノイズになってしまうリスクの方が高い気がする。

映像手法に関しても、「ここの影はこういう手法を使っていて、だからこういう効果が出ていて、これは画期的なんですよ」みたいなのがあった。「視聴者にこういう印象を与えるべく、あの場面でキャラクターにこういう行動をさせた」とかも。それを踏まえて2回目を見ればまた違った見方が出来て楽しいのかもしれないが、その辺りは別にタネ明かししなくてもいいのにな、と思ってしまう。タネがわからないからこそマジックも面白い訳で。

まあその辺りは自分の作品に愛情を注いでいるからこそだと思うし、実際俺も「あー、そうだったのかー」みたいに感心もしているので否定するわけでもないのだが。作る側になりたい人には参考にもなると思う。

 

 

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キャストインタビューでは入野自由さんと花澤香菜さんが登場。真面目に喋っている花澤さんを見れたのは新鮮で良かった。

 

 

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なかなか胸元が大胆なことになっている服を着ている花澤さん。肌が白くて綺麗ですね。ただ、入野さんのインタビューは面白かったけど、花澤さんの方は若干ふわふわとしていて中身は退屈だった。一般論というか、キャスト視点での受け答えがあまり無く、普通の人が普通の感想を言っている感じだった。

 

 

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まあでも、かわいいのでOK。

 

 

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「作品をご覧の皆さんへ」のところで急にカメラ目線になる新海誠さん。つぶらな瞳をしているので、真っ直ぐ見つめられるとドキドキしてしまう。あとパーカーの紐が長すぎると思う。

 

まあそんなこんなで本編45分と特典映像25分ですごく楽しめる内容だった。小説版も出ているようなので気になるところ。新海作品は他の媒体でも面白いし、むしろ他の媒体の方がディテールがわかって楽しめたりする。