くろろのたのしいディスカバリー(2021年8月)
えのぐ「enogu 10 Days Live -遮二無二-」(2021.7.25 - 2021.8.5)
別記事を作成済み。ここに書いてたら長くなったので切り出した形。灼熱の10日ライブ、熱かった。
天津向のエクストラパーティー(2021.8.1)
天津向さん主催『天津向のエクストラパーティー ~ゲストと楽しい90分~』をご覧いただきありがとうございました☺️🌈色んなゲームや、コーナー満載でしたが楽しんでいただけましたか❓2人の漫才はレアでしたね~😳🎊 #天津向 さんとの今後の活動にも要チェックです🤭✨#ナナニジ #倉岡水巴 #武田愛奈 pic.twitter.com/onZOryaU8E
— 22/7(ナナブンノニジュウニ) (@227_staff) August 1, 2021
天津向さんの個人チャンネル『ムカイワークス』のリアルイベント。ムカイワークス内の企画「1時間空きました」には22/7メンバーが何人か出演したことがある。更にはコロナ情勢で延期となったが過去に涼花萌さんと武田愛奈さんがリアルイベントを開催しようとした経緯があるので今回はそのリベンジ的な意味合いもあるだろう。
倉岡水巴さん、武田愛奈さんが出演。二人ともめちゃくちゃ緊張していた。放送事故と言っても過言ではないものになっていたが、ある意味でそれもナマモノだと思えば貴重だった。筋書きがあって面白みもなくその通りにのっぺりと終わっていくよりはよっぽどいいと個人的には思う。
竜とそばかすの姫(2021.8.9 視聴)
仮想現実世界の映像美が素晴らしかった反面、キャラクターたちが舞台装置になってしまっていたのが残念だった。脚本の都合やその後の展開のために不自然な行動だったり人間味のない行動をさせられるキャラクターには魅力が感じられない。美術面が優れていただけに惜しいと感じてしまう作品だった。
月ノ美兎『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』(2021.8.11 リリース)
二次元の女の子が歌う楽媒体といえば、キャラクターソング、あるいは作中で音楽活動(アイドル)をしているキャラクターが現実世界で楽曲をリリースする体のプロデュースをする……とそれが主だった。ここでいうキャラクターとはいずれも脚本のある言葉を喋り、閉じた物語の中で動くキャラクターである。
バーチャル存在は二次元キャラクターという体裁を確保しつつも上記の定義に収まらない。つまるところ脚本がなくともそこに存在して言葉を紡ぎ、現実のファンと交信しながら歴史を積み上げていく。そんなキャラクターのために書き下ろされた歌詞には従来のキャラクターソングとはまた異なった味わいがある。
バーチャルライバーである月ノ美兎の活動は長時間配信が主であり、特に彼女はそこで自身のクリエイティビティを強く全面に押し出したスタイルの配信を行う。彼女の言葉に、彼女の芸に我々は簡単にアクセス出来る。そのアクセシビリティとボリュームは圧倒的だ。好きなアーティストが自分の居場所で語る言葉を、どれ程聞いたことがあっただろう。蓄積された言葉の数々から滲み出る人間性とそこに宿ったドラマ、それらを力のある作曲家が魅力的な楽曲群へと昇華した素晴らしいアルバムであり、キャラクターソングのプロデュースという点でエポックメイキングにもなり得る大作だと言える。
『浮遊感UFO』は歌詞も相まって一番お気に入り。「なぜみんな私見てるのだろう?私何に見えてるんだろう?」という歌詞がメタくてハッとさせられる。錯覚を自覚しても決してそれが偽物にはならないこと、その奇妙な共犯関係。音像的には聴いていて花澤香菜の『マラソン』を思い出した。
空の青さを知る人よ(2021.8.15 視聴)
終盤で何故か主題歌をBGMとした空中散歩が始まり、自分の中では全てが台無しになってしまった。これは『君の名は。』と『天気の子』がもたらした負債と言っても良いのではないかと思う。それとも俺の想像力がそっちに引っ張られているだけか?
落胆したのは事実だが、それまでのキャラクター描写や置かれたコミュニティなどのリアリティは非常に良かった。変化に踏み切らず地元に留まること、夢を追いかけて辿り着いた先が決して理想通りとは限らないこと、非常に現実に根ざしたテーマだった。
背景美術も非常に美しく、フィクションではあるもののこんな人間ドラマが現実のどこかで本当に起こっているのではないかと思わせる手触りがあった。それだけに唐突な超現象ファンタジーが挟まった時は興醒めしてしまったし惜しいなと感じた。
JUNNA ROCK YOU TOUR 2021 〜20才の夏〜(2021.8.19)
延期に延期を重ねたライブにようやく参加。端的に言うならば怪物だった。JUNNAのプロデュースについてはロック路線への一辺倒という感じで、ポップから遠ざかっていく感じが勿体ないなあと思っていたのだが、ライブで歌声を聞いて納得する自分もいた。
この歌声に繊細な音楽は似つかわしくないと感じたのだ。気品云々より歌声のパワフルさ、ダイナミックさを生かした音楽が似合う。というよりも、そうで無ければ楽曲それ自体が歌声に呑み込まれてしまいそうだ。ライブは生バンドでの大音量だったが、それらでさえ凌駕する音圧の力強い歌声。貧弱な音ではかき消されてしまうだろうと思った。歌声との調和でなく、後方から援護射撃するようなイメージ。この怪物を暴れさせるにはこの方法が一番なのだろうと思った。
『イルイミ』を聴けたのも嬉しかった。何となくアレンジが違っていたのか、ハードルを上げすぎていたのか、「なんか違うな」感を抱いてしまったのは心残りだが。
ラブ&ポップ(2021.8.21 視聴)
庵野秀明の初実写作品。作品を見るときに監督が誰だからという見方はあまり好みでないのだが、本作はどうしたってそう捉えてしまう部分があった。やはり執拗にこだわり抜かれたカメラアングル。普通のアングルで撮ることを意地になって拒否しているのかとさえ思わせる。
主題は援交女子高生、当時の時代性が透けて見える。家族の前で見せていない自分、汚れていく自分。でもそれよりも欲しいものがあったり、キラキラしたものが彼女たちの目には見えていて、だからこそ無鉄砲に飛翔出来る。そこで痛い目を見ることで変化していくのだ。
若かりし頃の仲間由紀恵さんがあまりにもマブすぎて恋のダウンロードが始まってしまった。
ever 17~the out of infinity~(2021.8.26 クリア)
ループ物の元祖と呼ばれる名作ギャルゲー。オタクなりたての頃からずっと気になっているが、やったことがないという枠の作品。色んな人にとってのこの枠に留まっている率が高い作品であるようにも感じる。2015年にDL配信が開始したようなのだが、それ以前はPSPなどハードの確保が大変だったようだ。
評判も良いし気になる、そんな作品に踏み込むための最後の一押しとはいったい何なのだろうか。自分の場合はよく話すオタクが最近やっていたからというのが決め手になった。
ネタバレ厳禁の作品なので詳細には触れないが、とにかく興奮した。事あるごとに引き合いに出されるタイトルで、絶賛されている声を聞いたのは一度や二度ではない。自分の中でのハードルも相当高くなっていたし、ぎゃふんと言わせてみろ的な良くない眼差しもあったが、悠々とそれを上回ってくる偉大な作品だった。
個人的には茜ヶ崎空ルートのテキストがかなり好きだった。人工知能との恋愛という現代では埃を被っているテーマも、当時はまだ先鋭的だったのかもしれない。花やカナリアは何のために生まれたのか?咲くことに、歌うことに、そこに意志はあるのか?では人は何のために?
@JAM EXPO 2020-2021(2021.8.28)
横浜アリーナで開催された大規模アイドルフェス。22/7を目当てに見に行った。フェス形式ということでステージがいくつかに分かれているが、最も大きなメインステージでの出演だった。2019年にも同会場で同タイトルの公演が行われていたが、その際はもう少し小さなステージでの出演だったので感慨深い。
セットリストに関しては内側に向いていたと感じる部分があった。キャッチーでなくても、根強いファンが盛り上がることを期待しているような。その光景を見た誰かが気になってくれればいいと。どこか宗教めいて映る可能性があると同時に、それこそがこのグループの本質でもあると個人的には思っている。合わせにいかずコアな部分を曲げないでやり通すことが、真の意味でのファンを生むのだろう。あるいはそのやり方しか出来ないのかもしれないと思う。
えのぐ「enogu one-man Live 2021 Summer -不撓不屈-」(2021.8.29)
撓まず 屈せず 世界一まで pic.twitter.com/Hvu845W93K
— 鈴木あんず@12.29 雲外蒼天 開催! (@anzu15_225) August 5, 2021
『遮二無二』という武者修行を終えたVRアイドルえのぐが堂々と披露した生バンドライブ。キービジュアルが何ともまあ格好いい。昼夜公演で所有曲のほぼほぼ全てを披露し、そのパフォーマンス力をまざまざと見せつけた。
生バンドライブは初めての参加だったのだが『Armor Break』と『It's 笑 time!』が素晴らしかった。『アンプリファー』もよかった。いずれもベースが主張するグルーヴィな楽曲。特に『Armor Break』のベースラインは切れ目が細くなっていて、流れるように運ばれていく音が心地よかった。
VRアイドルが生バンドで現地ライブを行う、それを違和感なく当たり前のように受け入れている事実が既に凄い。次元の壁は崩れ去りつつあるように思う。