t7s ハルカゼ・CHAIN THE BLOSSOMを振り返る

 

 

ナナシス3rd参加後に途中まで書いて全然まとまらなくて投げた、感想なのか考察なのかポエムなのかわからない文章が下書きにあったので、リライトして体裁を整えたものを供養の意味で放流します。

なるべく原文を残しているのでライブ直後っぽいテンションになってます。

 

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4/22、4/23で幕張メッセ幕張メッセ!)にて行われたナナシスの3rdライブ『Tokyo 7th シスターズ 3rd Anniversary Live 17’→XX -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe』に参加してきたので、遅くなったものの感想なりを記事にしたいと思います。3つある公演の全てに参加。公演後にいわゆる感想戦をやっても語り足りないという充実度合い。

KILLER TUNNERのDメロで脳天を撃ち抜かれたとか4UのHello...my friendがエモかったとかQoPのパフォーマンスが圧巻だったとかはるジカの衣装の可愛さが異常とかFUNBAREの中島唯さんの腰の低さに目が釘付けになって中島唯さんの腰ファンになったとか黒瀬さんがKARAKURI友情出演させてくれてあの人は本当にわかってるなとかバンドアレンジであの曲が化けてたとか細かい点を挙げれば色々あるんです。 

あるんですが、この記事ではライブ全体を通しての感想やナナシスというコンテンツに対する考えとか、そういう大枠的な部分をメインで書いていきたい。先日発売(*1)になった「ハルカゼ」は今回のライブを象徴する楽曲&MVであり、ナナシスそのものみたいな作品という認識でいるので、ライブの感想と言いつつハルカゼの話が多くなってくるかもしれない。

(*1:2017年4月19日発売)

 

 ■感動する準備

早速ライブのストレートな感想ではないんだけど、今回の3rdライブに関しては、自分としては気持ちを作った上で臨むことが出来たと思っている。こんな言い方が正しいのかは疑問ではあるけど、「感動する準備が出来ていた」とでも言えばいいのか。

そしてそれは直前に発売になった 『ハルカゼ』や、関連するインタビュー記事に触れていったからだと思う。特に『ハルカゼ』は短いMVの中に色々なものが詰まっていて、ここで「ナナシスと向き合う」という段階を踏んだことで一気に気持ちが盛り上がっていったような感覚がありました。

コンテンツに触れ始めて多少時間も経ってきたというのもあるかもしれない。でもとにかく今までのライブの中でも一番期待をしていたし、それは単に質への期待だけじゃなくて、人生において今後思い返す大切な瞬間になるんじゃないかみたいな、そういう勝手で個人的な期待と言う意味でもそうでした。

 

■「anyone = everyone = you」という構造

上で「ナナシスと向き合う」という書き方をしたけども、これは自身と向き合うことにも繋がるんじゃないかと思ってる。

ハルカゼのキャッチフレーズである『誰かの背中を押すために』という言葉。今回のライブでもテーマとなっており、スイ役の道井さんなんかは序盤の挨拶のときにハッキリとこのフレーズを口にしていた。恥ずかしながら最近までナナシスの根底にあるこのテーマを把握していなかったし、聞いてもピンと来ない部分もあった。でも『ハルカゼ』のMVを観て、自分自身がその『誰か』になった、当事者になれた気がしたとき、腑に落ちたような感覚がありました。

この『誰か』に当てはまる可能性を全員に持たせている、そうした普遍性と解釈の幅が『ハルカゼ』のMVと歌詞には用意されていると思う。実際、MVの映像だけでは断片的なストーリーが見えてくるだけで、綺麗な起承転結がある訳ではない。

でもその必要は無くて、なぜならMVで背中を押される二人は聴き手のメタファーであり、受け手の内にあるベクトルの似た感情を引き摺り出す存在だからです。伝えられなかった言葉があるとか、あと一歩踏み出せなかったとか、自身のそういった思い出が呼び起こされたとき、ハルカゼは、ナナシスは自分の為のものになる。自分の為の歌であるように感じることが出来るし、自分の背中を押してくれるように感じることが出来る。

『誰か』とはsomeone,anyoneであるが、これは限りなくeveryoneに近い。背中を押してもらいたい瞬間、押してもらいたかった瞬間って、必ずあると思うんです。それゆえに、楽曲が『誰か』に届いたその瞬間、そこからはTokyo 7th シスターズとリスナーによる強烈な二者関係が発生する。『誰か』(=anyone)というのはリスナーである『あなた』(=you)と同一人物になる。ミソなのはここには他者が立ち入らないということ。

Tokyo 7th シスターズの全体曲における『きみ』や『あなた』はリスナーを指していて、それは『誰か』の中に内包されているという訳である。代表曲である「KILLER TUNNER」の歌詞には「君の夢 聞かせてよ」とあり、この部分は2ndライブ以外ではシンガロングも取り入れられている。特に3rdライブでは割かれる時間も長く、ラストの「君の夢 聞かせて!」の部分では、彼女達が指差した方向に自分は居なくても、自分自身に直接、1対1で語りかけられている感覚があった。

圧倒的に間口が広く、誰でも入り込めるような部屋なのに、その部屋に入るとTokyo 7th シスターズ以外には他には誰もいなくて、自分自身とTokyo 7th シスターズが向き合う格好になる。更に言うなら、Tokyo 7th シスターズは自分自身の写し鏡にもなっている。間口が広い理由はこれでもあって、解釈の幅の持たせ方が絶妙であるから、リスナーは自分自身の記憶や心境にそれを重ね合わせて、自分自身のための楽曲であるように聴くことが出来るのである。

 

 ■時代を越える普遍性

3rdライブの話に戻ると、『ハルカゼ』の歌唱のあと、『またあした』と綴られたハルからの(?)手紙がスクリーンに映し出される演出があった。この手紙の中でも印象的だったのが「私は花のようになりたいです」という一文。2公演目以降、このシーンは特報発表までの休憩タイムみたいになってた印象があって残念ですが、この一文には深い意味があったと思う。

一字一句覚えてはいないけども、「花のようになりたい」という一文の前後では「今年は散ってしまうかもしれないけど、誰かの心の中で咲き続ける」といった内容が綴られていた。

別に花に詳しいオタクでは無いんですが、花というファクターが暗喩するものは色々あると思います。桜であれば散ってしまってから次に花開くのは次の春になるわけで、それは半永久的に繰り返される円環(CIRCLE)であり、連鎖(CHAIN)とも取れる。この半永久性というのが肝でもあって、それはつまるところ時代や世代を超えていくということでもあります。一本の桜の木であっても、その下では毎年色々な出来事やドラマが起きていて、花というのは過去も現在も未来も側に寄り添い続ける存在の象徴という見方が出来る(はず)。

そしてここにTokyo 7th シスターズの在り方があると思います。ライブのMCでもあったように、Tokyo 7th シスターズ内には「セブンスからナナスタへ」、「シスターズからシスターズへ」という、世代を超えての継承という大きなシークエンスがある。また『ハルカゼ』のMVの舞台は2040年であり、ここではナナスタの『ハルカゼ』という楽曲が合唱曲として歌われている未来が描かれている。

「革命を起こせるのは音楽だけである」という旨の文章を読んだことがある。心に残り、時代を超えて紡がれていく、繋がれていく、誰もが口ずさむことが出来て、常識になり得て、よもや民衆の大意を形成出来てしまうまでの力を持つ、それが可能なのが音楽だと。

受け手の人生のターニングポイントとなるような、心に根を下ろしたそれがどこかの拍子で芽吹いて背中を押すような。花のように常に寄り添い、合唱曲のように歌い継がれ、コンビニの有線から聴こえてくるような、力強くも身近で普遍的な存在こそが、Tokyo 7th シスターズが見据える「アイドル」ではないかと思う。

 

■「押し付けない」ことを「押し付ける」という矛盾

「普遍性がある」というと、画一的であるようにも思えるが、実際はその真逆で、受け手の数だけ正解があるということになる。だからこそハルカゼは、Tokyo 7th シスターズは全ての一人一人、anyone=everyoneの為の音楽になることが出来る。

受け手によって答えが変わるという意味では、Tokyo 7th シスターズは「押し付ける」ということをしていない。答えも見方も受け手に委ねられている。しかしここで巧みだと思うのは、答えを受け手に委ねるその一方で、そういった仕掛けに関しては非常に徹底されているということである。

『ハルカゼ』のMVは、受け手と作り手の強烈な二者関係を作りだす。この物語を自身の為に観る、聴くように強く誘導する。殆ど断片的なストーリーにも関わらず多くの人が心が動かされた理由は、「押し付けない」ことを「押し付ける」という作り手の妙技にあると思うのである。

 

■普遍性と物語的アプローチ

以上、何かと話を大きくしたりアイドルがどうこうみたいな話をしてしまったんですが、ナナシスはこういうところを誤魔化さないというか真っ向から描いている、ぶつかっているように思う。それが良いんだよな~で終わりにしたいけどあとちょっと書きます。

ナナシスの普遍性が凄いみたいな話をしたけど、ナナシスはそれだけじゃない。そういった構造的なテーマを背負っているのはナナスタの全体曲というのが個人的な印象で、ユニット曲やライバル勢になってくるとまた別の切り口からの見せ方が為されていると思う。

中でもライバルにあたる4Uというバンドはエピソード4Uに見られるように強烈なキャラクター性とコンテクストを持っていて、これはある意味で普遍性は少ないと言える。誰もがウメやエモコに共感出来るかといえばそれはNOであろう。

3rdライブではHello...my friendの際にウメとエモコが向かい合って演奏し、三人が輪になって歌う画がカメラで抜かれ、4Uというバンドの"物語"を前面に押し出した演出になっていた。ハルカゼが不特定多数のリスナーに"刺さる"可能性を秘めているその一方で、これは4Uの物語を知らない人にはピンと来ないと言える。言うなればこちらは『キャラクターソング』と呼ぶべき中身になっている。

こうした棲み分けは、ハルカゼの本編MVと、初回限定版に付属する小説版においても為されていたと感じる。MVが解釈の幅、余白を持たせているのに対して、小節版はアカネの一人称で語られ、独特の心情描写も豊富にある。明確な他者の『物語』が展開されている。

個人的にはMVと小説は全く違うアプローチを見せていると思うし、小説版をMVの補完資料として考えるよりも、全く別の作品として考えるのが良いと感じる。大げさに言うならば二次創作というか。

いずれにしても二面的なアプローチがあって、双方においてその良さを生かした魅力的な作品作りが為されていると思う。

 

 

そんな感じで長くなったけど終わりにします。ライブの感想というよりただ面倒臭いだけの長文になったけどまあまあ言語化できてすっきりした気がするので良しとしたい。4Uの単独公演や武道館ライブ等も決まったので、またすごいものを見せていただきたいものです。

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『アイドル事変 2nd.Stage 歌え!愛の公約』に参加した話

 

 

アイドル事変』の2ndライブ、『アイドル事変 2nd.Stage 歌え!愛の公約』が7/1に東京ドームシティホールで開催されたので行って来ました。キャストに関しては以下参照。

 

<SMILE♥X>

八島さらら(星菜夏月役)
渕上舞(鬼丸靜役)
上田麗奈(近堂幸恵役)
Lynn(不動瑞希役)
久保ユリカ(飯塚桜子役)
仲谷明香(桃井梅役)
吉田有里(天羽くるは役)
赤﨑千夏(小水流ミカ役)
山本希望(闇†林檎様役)


<with>

八島さらら(星菜夏月役)
渕上舞(鬼丸靜役)

 

A.I.S>

藏合紗恵子(新城小夏役)
照井春佳(猫平小夜役)
明坂聡美(木谷るる役)


カーバンクル

吉田有里(天羽くるは役)
芹澤優(清水由奈役)
近藤唯(雨宮唯奈役)

<TWO LIPS>

上田麗奈(近堂幸恵役)
Lynn(不動瑞希役)

 

(参照:アイドル事変 2nd stage~歌え!愛の公約~

 

 

<セットリスト>

 

歌え! 愛の公約
Fun Fun! あい・すくり~む
はっぴ~! Sunrise
Respect
ジャックイン・ドリーマー
追い風は ハリケーン
START UP, DREAM!!
Oh! My Trump!! 
I Wish, I Believe
暗黒舞踏会†
Green Fairy
ワンダーランドの角砂糖
超☆恋愛ストラテジー
ザッツマイポリ

 

歌え! 愛の公約
ときめき Full Throttle

 

 

 

セットリストはこんな。愛の公約が2つあるのは誤植じゃない。

15分ほど押しての開演。「不況!貧困!広がる格差!」というアニメの冒頭でお馴染みのフレーズから導入が始まる。ステージの幕が上がると赤絨毯が敷かれた国会階段セットにSMILE♥Xの9人が立っていて(*1)、代表曲「歌え!愛の公約」がスタート。

国会階段セットはアニメOPでも登場していて象徴的なアイテムだったので、この光景はかなり感激ものだった。衣装も再現度が高くて目を剥くクオリティなので尚更アニメ映像とのシンクロがあった。1stの時点ではアイドル事変の文脈・コンテクストが殆ど存在していなかったため、こういったリンクを見ることが出来なかったんですよね。

絶賛応援中の久保ユリカさんはこの衣装がとても似合う。普段のイベントでは他のキャストにも目が行くけど今回はかなり釘付けだった(告白)。

 

 

 https://www.lisani.jp/admin/wp-content/uploads/2016/12/news-1612282100-c001.jpg

 (*1 参考画像)

 

 

 

次はA.I.Sが登場。ライブ数週間前辺りからキャスト陣がSNSで練習の様子をアップしていたが、中でもA.I.Sは気合いが入っていた印象がある。上田麗奈さんお墨付きの照井さんの赤眼鏡が良かった。

「はっぴ~! Sunrise」が本当にノリのいい曲で、CDで聴いたときからライブで聴きたいと思っていたので楽しかった。イントロからずっとハイテンポでめちゃくちゃ盛り上がる。

 

 

 

withはこれまた衣装のクオリティが高いのと、アニメEDであるRespectが非常に良かった。つんく♂の色が濃くなったのかわからないけど最近発表された曲はアニソンっぽくないものが多い気がする。代表曲であるSTART UP DREAM!!ではアニメで登場したライブシーンの映像がスクリーンで流れていて、これもキャストとのシンクロが素晴らしい。ライブシーンは改めて見ると相当異質かつ気合いの入った映像だったなと思う。

 

その後はソロパートに以降。

 

 「Oh! My Trump!!」では八島さんがマジックを披露。どうやら失敗した箇所があったらしいけどわからなかった。動画では見事に成功している。withのジャックインドリーマーとこの楽曲はサックス、シンセサイザー、ギターによる生演奏でお送りされた。

 

「I Wish, I Believe」は疾走感のある爽やかパワーソング。振り付けが最低限な分、マイク前でしっかり構えた渕上舞さんが歌唱力を存分に発揮していた。シンデレラガールズのTwilight Skyに近い雰囲気があったと思う。

 

 

 

暗黒舞踏会†はステージ上の演出が素晴らしかった。高級感のあるゴシック椅子に座った山本希望さんが、仮面を被ったダンサー二人を従えて登場する。ステージ照明はキャラクターカラーの紫で、会場のサイリウムも紫に染まる。

ステージビジョンでは楽曲に合った禍々しいゴシックな雰囲気のイメージ映像が流れている。禍々しく赤いリンゴ(おそらく青森産)がモチーフとして登場するが、このリンゴの赤色が非常に象徴的で、照明も途中から赤色にシフトしていった。

ステージ上ではスモークが焚かれ、それが照明に照らされて赤く染まる。転調部分でその部分以外の照明が落ちる部分があり、真っ赤な煙が壁となって山本さんの姿が消えたように見える瞬間があった。何か色々すごかった。

ダンサー二人は、林檎様のしもべ的な存在で、曲のラストに合わせて山本さんが手を振りかざすと、その瞬間に生命活動を停止したかのように静止していた。何か色々すごかった。

衣装や大道具、演出等が素晴らしかった。あれだけ濃い世界観を作り上げるのは見事だと思う。1回しか見れないのが残念だった。映像化に期待。

 

 

  

カーバンクル吉田有里さんの存在感がすごい。音源を持っていなくて予習不足感があったけどGreen Fiaryがめちゃくちゃいい。国会階段セットも含めてステージを大きく使って動き回っていて、ダンスも可愛くて癒されるユニットでした。

 

 

 

いつの間にか結成されていた上田麗奈さんとLynnさんによるデュオユニット「TWO LIPS」。アダルトでバブリーな新曲「超☆恋愛ストラテジー」を披露(すごいタイトルである)。サビの歌詞で「シャバダバダ」が出てくるなど往年のアイドルのような雰囲気がある。試聴版こそHPで上がっていたものの、フルverはラジオで1回流れたきりらしいのだが、会場の合いの手がバッチリ揃っていた。耳に残るリズム感で中毒性が高い気がする。あと二人とも顔がいい。

 

最後に全体でザッツマイポリを披露して終了、アンコールへ。

アンコールでは楽曲中にタオルを回して投票パワーを溜めようというノリが始まり、このときに本日2回目の「歌え!愛の公約」がフルで披露された。その後、ときめきフルスロットルでこの国の未来を任せたところでライブは終了、一人一人の挨拶でお別れといった流れ。

 

アニメの内容が結構ぶっ飛んでいたり、アプリゲームが長期メンテをしていたり、良くも悪くも個性的な立ち位置の作品ではあるものの、この2ndライブは丁寧に入念に作り上げたことが感じられる完成度だった。1stのときはコンテンツの実体が殆ど無かったしライブタイトルの通りスタートアップの段階だったので、フルライブというのは今回が初だった訳だけど、とても充実の内容でした。

印象的だったのは衣装や演出、道具が素晴らしかった点で、これが完成度の底上げをしていて光っていたと思う。歌やダンスも勿論良くて、特にダンスは皆さん苦戦しながらもめちゃくちゃ練習していた様子で凄かった。

キャストの皆さんも楽しそうだったし、会場の雰囲気も良かった。底抜けない明るさ、根拠のないポジティブさみたいなものがアイドル事変特有のものだと思い始めていて、楽しく笑顔になれるいいライブだった。

曲間トークや最後の挨拶で感極まるキャストもいて、このライブにかける切実さを感じたし、すごくいい空間だったと思う。個性的だったり商業面で苦戦していたりといった要素でついついネタにしてしまう部分があるんですが、そんな見方を反省してしまうような魂の通った素敵なコンテンツでした。

まだライブで披露していない楽曲、登場していないキャストもいるし、次のライブやイベント、アニメ続編も期待したい。特に久保さん演じる飯塚桜子が所属するユニット、キラキラの楽曲が凄くいいのでお披露目の機会が欲しいところ。キャストの口ぶりからするに現状はその目処は立っていないようだったが、ここで終わってしまうのは勿体ないし悲しいなあと思うので政治の力でどうにかして欲しい。声優イベントやってくれればお金を落とすんですが。

そんな訳で、随所に真摯さを感じて今後の展開を応援していきたくなるライブでした。ちなみにこのライブの翌日に東京都議選が開催。偶然か必然か。

花澤香菜『Opportunity』が史上最高という話

 

Opportunity(初回生産限定盤) (Blu-ray Disc付)

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4ヶ月前に発売になったCDの話になってはしまうけど、花澤香菜さんの4枚目のアルバム『Opportunity』がめちゃくちゃ良い。

 

前作の『Blue Avenue』がニューヨークを意識したUSサウンドなアルバムだったのに対して、今作はロンドンをイメージしたUKサウンドでお届けされているらしい。正直言うと音楽に明るくないのでUSサウンドとかUKサウンドと言われてもあまりピンと来ない。Linkin ParkOasisみたいな感じか?

UKサウンドと打ち出されている以上はUKサウンドなのであり、UKサウンドがピンと来ていない人間の言論は本来封殺されているのですが、まあ良いものは良いのだからわからないものはわからないなりに書いていくしかない。先日行われたアルバム名を冠してのライブツアーに参加したので、その辺も少し思い出しながら。

 

花澤香菜『Opportunity』 楽曲リスト

 

1. スウィンギング・ガール
2. あたらしいうた
3. FRIENDS FOREVER
4. 星結ぶとき
5. 滞空時間
6. カレイドスコープ
7. 透明な女の子
8. Marmalade Jam
9. Opportunity
10. ざらざら
11. 雲に歌えば
12. FLOWER MARKET
13. brilliant
14. Seasons always change
15. Blue Water

 

爽やかなんだけど決して軽くはない、聴きやすいのに聴き応えのあるナンバーが揃っている。全体的にバンド色が強く、ベースとドラムの音が心地良い。特にスネアドラムは非常に光っている。ウィスパーボイスと評される花澤さんの透き通った歌声を支える、骨のあるしっかりとした音が全楽曲に敷かれている。

重すぎず軽すぎない、飽きの来ない洗練されたサウンド。適度な脱力感を備えたボーカル。アルバム全体で見たときの統一感というかまとまりも完璧で、何度でも繰り返し聴きたくなる魅力がある。

 

馴染みやすい楽曲群のなかで、2と6は少しアップテンポなナンバー。

『6. カレイドスコープ』はベースとドラムが作る力強いリズムと疾走感がたまらないのに加えて、随所に登場するブラスバンドが良い味を出している。ライブツアーで披露された際にはアウトロが最高のバンドアレンジになっていて、小節の区切りが来るたびにあと1小節だけ延長してくれという気分になった。

『2. あたらしいうた』はこの中だと最もアニソン風かもしれない。サビで強く声を張っているのはこの曲くらいだろうか。もしUOを焚くとしたらこの曲しかない気がする。シングルということもあって、他のアルバム曲群と比べると少しテイストが異なる印象。

『8. Marmalade Jam』は菅野ようこが作ってそうなジャジーな1曲。インスト群の魅力が前面に出ていて素晴らしい。アルバムの中では少し異質なビターな雰囲気を纏っている。

『11. 雲に歌えば』はリズミカルで可愛らしい楽曲。「トゥットゥル」やコーラス、印象的なブレスなど遊び心に富んだ素晴らしいポップソング。サビ部分には簡単な振りつけがついていて、ライブに参加した際は会場と一体になって踊った。家で聴いてるときもたまに踊ってしまう。

 

個人的に特にヤバいと思うのが5、10、15の3曲。

『5. 滞空時間』は最初聴いたときは「アルバムの真ん中あたりに入ってそうな曲」みたいな印象しかなかったんですが、ポップで軽快かつ独特なリズム感が癖になる中毒性の高い楽曲。印象に残るのはスネアのリズムとシンセサイザーで、激しく聴かせるような楽曲ではないが、これがライブだと化けに化ける。バンドサウンドにサックスとトランペットも加わって贅沢すぎる至福の音だった。

『15. Blue Water』は曲名の通り水の流れを思わせるヒーリングミュージック的な序盤から一転、途中からなんとEDMに変貌する。「ヒーリング→ダンスミュージック」という激ヤバムーブである。終盤の盛り上がり、音の濁流は大音量で聴くと本当に恍惚とする。これもライブでのバンドアレンジが素晴らしくて最高だった。ライブで一番身体が熱くなったのはこの曲。

『10. ざらざら』はシングルとして発表された曲で、これがとにかく一番ヤバい。

ストリングスに彩られた切ないメロディに乗せられるのは、くすぶったやり切れない感傷を綴った、毒々しく生々しい、胸が締め付けられるような歌詞。「切なくなれば切なくなるだけ 悔しいけど生きてるって思う」という歌詞にも象徴される、痛みがリアルな生を思い起こさせる感覚がそこにはある。

これをバラードとして成立させてしまうのが花澤香菜のスゴさである。フラットすぎても感傷的過ぎてもおそらく何かがズレてしまう、絶妙で危ういバランスの上にこの曲は成り立っている。数多のキャラクターを演じてきた花澤さんの表現力が存分に発揮された屈指の名曲だと思う。声の質という観点からも、トップ声優にしか歌えない楽曲である。女性声優アーティストの音楽は素晴らしい。

 

女性声優アーティストでポップス路線というと自分の中では坂本真綾さんや牧野由依さんが頭に浮かぶ。この分野では坂本真綾『Lucy』と牧野由依『マキノユイ。』が私的レジェンドアルバムであったが、花澤香菜『Opportunity』は間違いなくここに入ってくる。どうでもいい私的ベストを勝手に語り出すオタクになってしまい申し訳ないが、とにかく人生レベルで良かったということが伝えたかった。

 

と、そんな訳で素晴らしいアルバムなのでした。ソロ声優のアルバムの中でも最高峰の完成度だと思う。ライブは千秋楽の市川公演のみの参加だったけど、別の公演も行けばよかったと後悔した。このアルバムで生バンドのホールコンサートは良さがカンストする。

 

 

 

 

Blue Avenue

Blue Avenue

 

 

Lucy(ルーシー)

Lucy(ルーシー)

 

坂本真綾さんの最強に良いアルバム。当時20歳とは思えない完成度。菅野よう子との最強タッグ。)

 

マキノユイ。

マキノユイ。

 

 (牧野由依さんの最強に良いアルバム。少しアニソン寄りな曲も。)