くろろのたのしいディスカバリー(2022年2月)

えのぐ『イレイザービーム』

雲外蒼天

雲外蒼天

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去年12月に参加したワンマンライブで初披露されて刺さった楽曲。2月に配信スタートした新曲EP『雲外蒼天』に収録。

えのぐのアイドルソングでは『ハートのペンキ』が好きだったけど、それに負けず劣らずの可愛らしい楽曲。音作りはシンプルで言い方を変えればチープではあるものの、メロディラインとリズム感がとにかく素晴らしくて気に入ってしまった。

 

 

大原ゆい子 アコースティックワンマンライブ「シットリ。」(2022.2.5 参加)

 

大原ゆい子さんのコンサートに久しぶりに参加。アコースティックかつ小さめのライブ会場ということで、ライブタイトルの通り、歌声をじっくり堪能出来た。

アニメ"無職転生"の楽曲群が非常に良く、特に『風と行く道』が素晴らしい楽曲。ファンタジックな世界観とバンドサウンド、清涼感のあるボーカルの調和が見事。「狼と香辛料」の『旅の途中』にも似た空気を感じる。アニソンならではの音楽という感じ。

 

 

少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーケストラコンサート(2022.2.6 参加)

 

幕張メッセにて開催。劇場版スタァライトのストーリーラインに合わせる形で、劇中の映像を随所で使用しながら進行していくオーケストラコンサート。劇中の展開を反芻しつつ生歌に浸る時間は至高の贅沢というより他なかった。

『スーパー スタァ スペクタクル』では歌詞の通り、その眩しい煌めきに目を焼かれた。作中では愛城華恋と神楽ひかりの口上シーンでライトが画面側(視聴者側)に向くのだが、その演出がライブでも再現されていて、客席側にライトの光が届いてきた。そんな訳で、物理的にも目を焼かれました。座席がほぼほぼ正面だったというのも大きい。

 

 

DDD~Discovery iDol Depot~(2022.2.11参加)

 

白金高輪SELENEにて月1ペースで開催されている、アイドル対バンフェス『DDD~Discovery iDol Depot~』。えのぐが参戦するということで現地へ。参加アーティストは半・地下アイドル辺りの層になるだろうか。そんな中でもえのぐはVRアイドルとして存在感を発揮していた。年間50公演という目標は伊達ではないですね。

結局この公演以外は行けず終いだったのだが、えのぐはこれ以降も皆勤賞ペースでこのDDDに参加していた。ファンが足繁く現場に足を運んでいくことで一体感も増していったことだろう。ライブの数をこなすというのは、そうやって現場を育てていく意味でも重要だと思う。

 

 

Tokyo-7th FESTIVAL in Ryogoku Kokugikan(2022.2.26-2.27 参加)

 

両国国技館で開催されたナナシスのライブ。おじいちゃんだからナナスタライブとTokyo-7th FESTIVALの違いが分からなくなってきた。

前々から制作が発表されていた新エピソードが演出に組み込まれており、世代交代を強く意識させるものだった。777☆Sが揃っていない単独ライブというのもそんな気持ちを助長する。特に篠田みなみさんの不在から受ける心理的な影響は大きかった。

ライブの冒頭では新章のカラーが前面に押し出されており、新エピソードや新ユニットお披露目などがあって、若干置いてけぼりを食らった部分もあった。ライブというよりイベントのような雰囲気も若干漂っていて、それもまた体制の変化を感じずにはいられない部分だった。

そんな中でも4Uは個々の力が強く、相変わらず楽しいライブ空間を作ってくれていた。4UのTシャツを着てる人も多かった印象。この場で単独ツアーも発表されたが、待望のそれと言っていいだろう。

初日は面食らったものの、2日目以降は耐性も出来ていたし、深く考えずに楽しむことが出来たと思う。ウィッチの映像出演とか、そこそこ迷走してたけど何か面白かったしまあ良いかな。前体制時のナンバリングライブに流れていた、アイドルに対する切実な何かが恋しい気もするけれど。俺の中から消えただけなのかもしれないが。。

 

 

フーリンキャットマーク『Reading of the Pisces』

Reading of the Pisces

Reading of the Pisces

  • フーリンキャットマーク
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東方関連の同人音楽から派生したという、アキシブ系コンポーザー。ボーカルが可愛らしく、楽曲によっては久保ユリカさんを感じる部分がしばしばあった。

楽曲ジャンル自体が好みなのでどれを聞いても褒めたくなってしまうのだけど、中でもこの楽曲は完成度が高くて好き。

 

 

和田彩花『私的礼讃』

 

アンジュルムを卒業してソロデビューを果たしている、和田彩花さんによる1stアルバム。ハロプロアンジュルムも全く分からないので、Spotifyのアイドル特集プレイリストで偶然聴いたという出会いだった。

アルバムを通してどこか生々しくグロテスクな世界観に惹き込まれる。若干ホラーなショートトラックに、無機質さすら感じさせる声音も相まって、最初に聴いたときは背筋がぞくりとするような印象を抱いた。頭から通して聴くのが一番良いけど、単曲でも『mama』『みやしたぱーく』は必聴。

アイドルグループ卒業後にここまでアーティスティックな音楽活動をしている例を他に知らなかったので驚きだった。

 

くろろのたのしいディスカバリー(2022年1月)

十五少女『HATED』

 

1月は十五少女の楽曲を結構聞いていた。声優を起用して楽曲をリリースしていく新興コンテンツの一つ……と言ってしまえばそれまでだが、結構尖った展開を見せているのと、楽曲や世界観も特徴的で類を見ない感じなので少し気になっている。

2022年の1月1日にはプロジェクトを象徴するようなポエムとイラストがTwitterに投稿されている。リプライツリーでスレッド形式に連投されたツイートを合わせると全7件となっていて、これらがなかなかメッセージ性が強い。

 

 

思春期の衝動であったり、モラトリアムの全能感や閉塞感といったテーマが根底にあるのだろう。ティーンエイジャーへの訴求力は強そうだ。"かつての若者"である自分のような人間にも訴えかけるものはある。いわゆる中二病的な雰囲気が強く毛嫌いする人も多いだろうが、半端な照れが無いこともあり切実な印象も受ける。

楽曲およびジャケットイラスト、キービジュアルにキャッチコピーといったものがコンテンツの大半を占めるものの、小説媒体で物語の概要なども小出しで公開されているようだ(未チェック)。サイバーパンクを意識したイラストと世界観はレトロさも醸し出す。小規模ながら1月に渋谷にて行われた『昭和百年展』にも出展しCD販売を行うなど、展開・ブランディングが珍しい。

 

 

『HATED』の楽曲群は元々がボーカロイド楽曲として制作されていたもので、高音域のボーカルが印象に残る。キャラクターCVと歌唱担当を分けるという方式を取っているのも特徴的。人間の声域を想定していないような音域が続くが、人間が感情を乗せて歌うことで、悲痛な叫びのようなエモーショナルな響きが強化されている気がしなくもない。

重厚な世界観設定書が配布されていたり、SNSの使い方も特徴的で、コンテンツ運営やブランディングという視点で見ていくのも結構面白いかもしれない。

 

 

 

▽▲TRiNITY▲▽『PRiSM』

 

にじさんじ発のグループユニットのアルバム。クラブ系のサウンドと声音が合っていて好き。

各メンバーの動画はちょろっと見たことがあるという程度なのだが、彼女らのパーソナリティが楽曲に落とし込まれた、キャラクターソング的な作りでは無さそうだ。▽▲TRiNITY▲▽というユニットの方向性、音楽性をはっきり定めてプロデュースされているように感じる。

 

 

kolme『Hajimete No Mini Album』

 

ガールズユニット、kolmeのアルバム。楽曲派の中でもtier1の音楽性を持っていると個人的に感じているkolmeだけど、なかなか売れていかない感じがある。自分も消費行動はあまり出来ていないのだが。。

単独ライブに行ってみたいと思いつつも、なかなかタイミングが合わず結局行けてない。それはさておき、もう少し気の利いたアルバムタイトルは無かったのだろうかという気持ちはある。

 

 

Ado『狂言

 

Adoちゃんの初アルバム。CDを買ってライブ抽選に申し込みしようかと思っていたが、自身がアラサーの男性であることを思い直したりしてやめてしまった。何と戦ってるんだ。

ヒットシングル(?)の面々に加えて、アルバム新曲も粒揃いのナイスなアルバムだった。『会いたくて』、『ギラギラ』、『夜のピエロ』辺り、改めて聞いてみても名曲だなと感じる。アルバム曲では『マザーランド』、『過学習』がお気に入り。ただやはり既出の楽曲たちと比べると数段は落ちる印象。

 

 

リスアニ!LIVE 2022(2022.1.23 参加)

リスアニ! Vol.47 (M-ON! ANNEX 663号)

リスアニ! Vol.47 (M-ON! ANNEX 663号)

  • ソニー・ミュージックソリューションズ
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武道館で開催されたリスアニ!ライブの3日目に参加。二次元アイドル関連のライブにはそこそこ足繁く通ってきたものの、こういったアニソンライブには意外と行ったことが無かったので新鮮だった。

ナナヲアカリさんを初めてライブで見たのだが、『雷火×雷火』の歌唱力に度肝を抜かれた。やなぎなぎさんも生で見るのは初めてだった。南條愛乃さんはソロ名義での参加だったものの、『only my railgun』をワンコーラスだけ披露。fripSide降板で、今後もう生で聴ける機会はないものと思っていたのでワンコーラスでも有り難かった。

 

 

えのぐ 個別トーク会(2022.1.23 参加)

 

えのぐの"DDD"こと『Defiant Deadman Dance』発売記念のオンライントーク会に参加。ライブ中のパフォーマンスの印象が強いものの、ステージを離れればプロのアイドル。リアクションがとても可愛いし、話すと本当に良い子たちなんだというのがひしひしと伝わってくる。

スケジュール管理が下手すぎてリスアニライブと完全に時間が被ってしまったので、武道館を途中で抜け出してトークをしにいくという場面も。

 

 

DISCOVERY

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ドメインが変更になりました

記録として書いておくのですが、当ブログのドメインが変更になっています。

理由としては、はてなブログProを有料契約して独自ドメインを取っていたのを辞めたからです。

URLの"hatenablog.com"の部分を無くして、

https://kuroroblog.com としていたのですが、

https://kuroroblog.hatenablog.com に戻っています。

まあそこに関してはどうでもいいんですが、これに伴って、独自ドメインを導入してから更新した記事のURLが全て変更となりました。該当期間は2019年~2021年更新分となります。

その結果、それらの記事にいただいたはてなブックマークはてなスターが全部消えてしまっています。これは仕様というか、復元が出来るものではないようなので諦めるしかなさそうだなという感じです。Twitterのふぁぼみたいな感覚で、特段役に立つ訳ではないけど貰えたら嬉しかったので、その記録が消えてしまうというのは個人的には残念なところです。

謝るというのも違う気はしますが、仮に自分がはてなブックマークをする側だったとして、記録したものがいつの間にか消えているのは気持ち悪いと感じると思うので、念のための内容説明・ご報告となります。

くろろのたのしいディスカバリー(2021年12月)

ARIA The BENEDIZIONE(2021.12.3 視聴)

 

ARIAの劇場版シリーズが遂に完結。2015年の1作目公開から劇場に足を運んでいたので感慨深いものがあった。

反面、この3作目に関しては、感動を誘い過ぎたのか演出過多に感じてしまう部分もあり、自分が好きだったARIAらしさを感じることは残念ながら出来なかった。1作目はショートストーリーが2本という形式だったためTVアニメの延長という形で見られたが、2作目、3作目は準長編ということもあり、少々肩に力の入ったものになってしまっていた気がする。

もちろん良い話だし、TVアニメ本編からの積み重ねも相まってグッとくるところはあるものの、「"何もしない"をする」という言葉が似合うような、ARIAの牧歌的日常の空気感が薄れていたのが残念に感じてしまった。劇場版なのでストーリーに起伏を作らねばならないというのは分かるのだが。

 

 

ババババンビ『馬馬馬馬鹿者祭』(2021.12.14 開催)

 

アイドルグループ・ババババンビが主催した対バンライブ。えのぐが参加していたので配信で視聴した。

えのぐはバーチャルアイドルながらも、リアルアイドルの面々に混じって参加。二次元であれ三次元であれ、同じアイドルであることに変わりはない。言葉にするなら簡単かもしれないが、実際に行動で次元の壁を壊しに行く姿勢には、毎度ながら感服してしまう。終演後の特典会がえのぐだけ実施されなかったのは制約を感じざるを得なかったが、今後どうにか乗り越えてくれるように思う。

 

 

TVアニメ『神之塔 -Tower of God-』(2021.12.24 視聴)

 

年末に、みんなでアニメの予想をするという遊びをやったときに見た。

遊びの解説:参加者全員が内容を知らないアニメを選ぶ。参加者1人1人がそのアニメのうち1話だけを見る。参加者が6人であれば1,3,5,8,10,12話というようにバラバラに担当を割り振る。この時、最終回は割り振らない。各自は割り振られた担当の回以外は見てはいけない。その後、各自が観た回の情報を持ち寄って議論を行い、「このアニメはどういうアニメなのか、最終回はどうなるのか」を予想する。議論の後に答え合わせとして全員で最終回を見る……というもの。

この遊びと、『神之塔』という作品の特殊具合・トンチキ具合の相性が素晴らしく、エンターテイメントとして申し分ないものになった。情報共有の度に全貌が明らかになっていく感覚が面白い。ぜひ友達とやってみてください。

 

 

22/7 5th BIRTHDAY LIVE 2021 〜Colors of Flowers〜(2021.12.26 開催)

 

22/7のキャラクターライブが実現。TIF2021でもバーチャルライブが披露されたものの、キャラクターメインの単独ライブという意味ではこれが初めてのものになるだろうか。

11人揃ってのライブではなかったし、もう少し早く実現していればという気持ちは捨て切れないものの、長らく待ち望んでいたキャラクターライブが見られたのは非常に感慨深かった。

佐藤麗華河野都戸田ジュン、東条悠希の4名については既に声優が22/7を卒業しており、キャラクターの処遇についても気になるところであったが、声優を入れ替えるのではなく、キャラクターもまた22/7を卒業するという方向に進んだのは英断だったように思う。佐藤麗華は長らく宙ぶらりんの状態が続いていたが、進退を明言してくれたのは最低限の真摯さを感じられた。

 

 

enogu one-man Live 2021 Winter -雲外蒼天-(2021.12.29 参加)

 

えのぐの単独ライブがZepp Yokohamaにて開催。VRアイドルであっても大きな会場に立てるということを証明してみせた。昼公演・夜公演とあり、いずれも現地参加。配信が全編無料でYouTubeにアップされているのでおすすめ。

昼公演は最前列に居たけど、バンドメンバーの表情やテンションの推移が見えて良かった。全曲生バンド演奏ということで、楽曲の良さが前面に出た素晴らしいライブだった。『Dreamin' World』のバンドアレンジが良すぎてよだれ垂らしながら見ていた。

新曲3曲が披露されたが、中でも『イレイザー☆ビーム』というアイドル路線の楽曲がかなり気に入った。他にも、えのぐメンバーの飽くなき上昇志向をそのまま歌詞にしたような『フラストレーションガール』、「BRAVER」を手がけたサクマリョウ氏作曲のミディアムバラード『燈し火』など、バラエティに富んだ楽曲が披露された。楽曲の追加ペースが早くて恐ろしい。今後数多くのライブに参戦していくにあたり、持ち曲として多くの引き出しがあることは強みになるだろうなと思う。

昼公演では各メンバーにソロでスポットライトがあたり、各自の得意とするジャンルの楽曲をソロMIXで披露したり、今後の目標を語るといった時間があった。初めて参加した人にも1人1人の個性が伝わっただろうし、明確に次のステップを語る姿には彼女たちの熱さと本気度をまたも突き付けられた気持ちになった。

 

 

森中花咲『下剋上

 

にじさんじ所属のVライバー森中花咲さんのソロアルバム。『此処に咲く花』が泣けるメロディラインと歌詞で名曲だった。

 

 

QU4RTZ『Beautiful Moonlight』

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のユニットの楽曲。渋谷系っぽさに少しファンクが入ってる?ような印象を受ける。MELLOW MELLOWとかのガールズユニットに雰囲気が近い。サウンド、メロディ、ボーカル全部いい。

 

 

イカゲーム(2021.12.30 視聴)

 

年末に暇だったので、NETFLIXに加入して視聴。久保ユリカさんが吹替声優をやっているということで気になっていたというのもある。そのキャラクターは良い味を出していた上に可愛かった。まあ、死ぬんですが……。

イカゲーム自体のシステムというか、全貌が徐々に分かっていくタイミングが一番面白かった。ある意味ではそこがピークで、得体の知れない集団のベールが剥がれたら剥がれたで緊張感が薄れ、少し中弛みを感じたのも事実ではあった。

ミニゲームのところは随所でカイジっぽさを感じる部分もあったが、心理描写とか駆け引きという面での見どころは少なかったかもしれない。

 

 

浅草キッド(2021.12.31 視聴)

 

劇団ひとりが監督して映像化された、ビートたけしの自伝的な作品。年末に暇だったので、NETFLIXに加入して視聴。

柳楽優弥さんの演技は素晴らしかったが、内容は全体的に可もなく不可もなくという感じで盛り上がりに欠けた。大泉洋が演じる師匠の最期がしょうもなくて残念だった。実話ベースなのかもしれないけど、正直カタルシスも何も無かったので、ドラマ映画としては失敗していると思う。

 

 

 

DISCOVERY

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くろろのたのしいディスカバリー(2021年11月)

 

アイの歌声を聞かせて(2021.11.3 視聴)

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『イヴの時間』や『サカサマのパテマ』で監督を務めていた吉浦康裕さんの最新作。前述の2作、特に『イヴの時間』は非常に好きな作品だったのでこの『アイ歌』も制作発表時から楽しみにしていた。

『イヴの時間』はロボットや人工知能の在り方といったSFに振られた作品で、扱うテーマも当時としては先鋭的だったし後の多くの作品に影響を与えたように思う。一方の『アイ歌』は、上掲のキービジュアルからも明らかだが、ゴリゴリのハードSFというよりもSF要素をソフトに散りばめてポップさとの融合を目指した作品だったと言えるだろう。

AI×吉浦監督と聞いてハードSFを期待してしまうと肩透かし感はあるかもしれないが、上述したポップさとのバランスという意味では絶妙・抜群だったと思う。100点を取れる人は80点を狙って取ることも出来るというか、そんなことを感じた。

作画も美麗で動きも滑らかだったし、アニメーションとしても素晴らしかった。主要人物が割と多いのだが、短い時間の中でも各キャラクターが魅力的にしっかり描かれていた。サブキャラクターと主人公・ヒロインの掘り下げのバランスも申し分ない。

劇中歌が印象的なタイミングで挿入される。いずれもBGMとしてではなく実際に劇中のキャラクターが歌う形式になっていて、ミュージカル的だという意見もちらほらあった。ただ荒唐無稽に歌っている訳でななくて、ストーリーの進行上でもその歌唱に意味を持たせてあるところが良かった。

ストーリーは青臭くもドラマチックかつハートフルでロマンチックで、AIという難しい題材を活かしつつながらもそれらの要素と違和感なく調和しているのが巧みだった。繰り返しになってしまうが、やはり100点を取れるからこそ、そこのバランス調整が絶妙なのだろうと思った。SFと同居するロマンチシズムに胸を打たれること間違いなし。

 

 

22/7 ANNIVERSARY LIVE 2021(2021.11.14 参加)

 

22/7の4周年記念ライブに参加。昼夜公演を通してメドレー等を挟みつつほぼ全曲を披露するという非常に精力的なライブだった。22/7はダンスのレベルが高くてライブの大きな見どころなのだが、全曲ライブでもそんな高カロリーのダンスをやり切っていて、改めてこのグループのパフォーマンスの素晴らしさを感じた。

3人が卒業を発表し、新規メンバーのオーディションが開催されるなど体制的に大きな転換点を迎えているナナニジ。卒業はいずれ訪れるものとは言っても、コンテンツにとっては戦力ダウンでもあるし言ってしまえば相当な痛手であると思う。それでも、二人を送り出すための素晴らしい公演を用意してくれたことに感謝したい。これは今年2月の帆風千春さんの卒業に際しても感じたことだ。

コンテンツの運営というのは何かと叩かれやすかったり非難の対象になりやすいものだと個人的には思う。ただ、運営と一口に言ってもその先には細分化されたチームがあって、更にその先には一人ひとりの人間がいる。俺はその人間と話したことがないし顔を見たこともないんだけど、エンタメの担い手として動いている彼らが、22/7を良いものにすべく奔走していることは疑いたくない。

仮にコンテンツを閉じるとするならばこのタイミングだったのではないかと現時点では思う。それでも存続の方向に舵を切ったのは、当然商業的な理由も多分にあるんだろうけど、このコンテンツで実現したいことや見せたい景色があってのことなんだと思いたい。実際、個人的にもまだ色んな可能性が22/7には眠っていると感じている。

自分は倉岡水巴さんを応援していたのでテンションが下がっていた面もあったのだが、ライブでは素晴らしい景色を見せてもらえた。卒業していくメンバーへの花道を用意してライブを成功させたそこには紛れもなく愛があったと思うし、運営の一人ひとりがエンタメに何かを捧げていないと作れないものだった。顔も知らない彼らが22/7を立て直さんとするその道筋を追いかけてみるのもいいかもしれない、そう感じる公演だった。

 

 

とらドラ!(2021.11.24 視聴)

 

いつか見ようとずっと思っていたのをようやく視聴。この時代のライトノベルは良かったなあと改めて感じることになった。別に異世界転生なんてしなくても、学園に魅力的なヒロインやキャラクターがたくさん出てくるドラマを描いてくれれば自分はそれでいいのだ。

全体的にキャラクターの魅力、奥行きが素晴らしかった。川島亜美が想いを打ち明けられないまま終わるというのも味がある、裏主人公だった。個人的には櫛枝実乃梨がかなり好きなキャラクターになった。最初は「竜二くん、なんでこんな女の子を……?」と思っていたけど俺が悪かった。道化としての姿がやり過ぎなのはご愛嬌。幽霊を見たいか見たくないかという話は全体を通しても非常に印象に残ったやり取りだった。

大河の父親がカスみたいな扱いで退場して、結局最後までそのままだったのは怖かった。終盤でまた掘り下げるものだと思ってたんだけどな。読んでないし検索で調べただけだけど、原作でも特段救済はないらしい。女性が書くライトノベル怖すぎる。

 

 

楠木ともり『Narrow』

 

楠木ともりさんのアーティスト活動についてはノータッチだったのだが、テレビ東京の『musicるTV』で特集されていたのを見て興味を持ったので聴いてみた。この『narrow』が良いEPだった。特に『タルヒ』は気に入った。シューゲイザー的な曲調と程良く抜けたボーカルのマッチングが素晴らしい。聴いていてFor Tracy Hydeを想起した。

 

 

Ado『阿修羅ちゃん』

 



こちらも上述のテレビ東京『musicるTV』でAdoさんが特集されていたのがきっかけ。Adoさんがインタビューを受けていて、自分はそこで初めてAdoさんが喋っているのを聞いたんだけど、典型的な陰キャ女子という感じ(超失礼)で『うっせえわ』の歌声から想像していたイメージとは物凄くギャップがあって驚いた。

というのもあって色々聴いていく中で、もはや既リリース曲の殆ど全部を好きになってしまった(ちょろい)のだが、最新リリースだった『阿修羅ちゃん』の話を。Adoさんのボーカルはドスの効いたがなり声、ハスキーボイスから張りのある高音まで音域が広く、更にはその切り替えが一瞬で出来てしまうのが凄いなと思うのだが、この『阿修羅ちゃん』は特にその魅力が出ているように思う。

「どーどー閻魔様さえ食らって」の部分は非常に爽快でお気に入り。2番のラップ部分の歌詞は韻の踏み方が凄くて感激した。Adoさんは1月にフルアルバムを出すようなので楽しみ。Adoさんって未成年なんですね。Adoさん……いや、Adoちゃん……。

 

 

DISCOVERY

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