Life Like a Live!2(えるすりー2)に参加した話

 

Life Like a Live!2(えるすりー)

 

通称"えるすりー"こと"Life Like a Live!"に参加した、というか配信を見ました。VRアイドルを中心とした参加者で構成されたフェス形式のライブイベント。VR空間をライブステージとしたリアルタイム配信ライブで、2020年にも開催されていたようだ。今回は2回目の開催ということでタイトルにも2がつく。参加アーティストを入れ替えつつ、2021.9.18-9.20の3日間、計5公演が行われた。

情報発信しているプラットフォームなどがチープめだったので若干不安だったが、実際にライブを見たら配信技術は確かで、バーチャル空間ならではの演出やカメラワークなども見られて満足度の高いものだった。チケットは決して安くはなかったし全公演見ようものならかなりの額になるのだが、注目度も高いようでお客さんもかなり居たようである。

えのぐやGEMS COMPANYが参加しているということで、参加している公演を中心に購入して鑑賞。えのぐは基本的にユニットでの登場、披露したのもオリジナル楽曲のみだったが、他のグループだとメンバーを選抜してコラボユニットでカバーソングを披露していたりと、フェスらしい光景が見られた。

 

    

えのぐはVRアイドルの中でもライブパフォーマンスのクオリティが高く、一定の評価を得ていることが感じられた。実際、こうしたフェス形式のライブにおける魅せ方に関しては卓越していたし、自分たちのホームグラウンドでなくても観客の心に訴えかけようという気概がひしひしと伝わってよかった。

VR空間でのライブということで、カメラワークの自由度が上がっていたのも素晴らしかった。えのぐはライブ会場現地に集客してそこでライブをすることが多く、自分がこれまでに参加したことがあるのもその形式が多かった。そこではステージ上に膜のようなスクリーン張られていて、そこに投影された3Dモデルがリアルタイムでパフォーマンスを行う。この形式では縦と横の動きは見えても奥行きの動きについては見えづらい面があった。つまるところX軸とY軸は○だがZ軸が×だった(これに関しては生身の人間が行う通常のライブにおいてもZ軸は△くらいであろうが)。

ただVR空間となればカメラワークも自由自在。真上から撮ったり、演者に接近して撮ったりといったことに対する制約もない。えのぐの『アンプリファー』には演者4人が輪になってグルグルと走り回る振り付けなどがあるがこれのZ軸の動きが見られたのは非常に嬉しかった。GEMS COMPANYの『夏色DROPS』、『ゴールデンスパイス』といった好きな曲のパフォーマンスが見られたのもよかった。

 

    

注目外のアーティストとしてはまりなすとPalette Projectも印象に残った。まりなすは今年の1月に開催された『VTuber Fes 2021』にも参加していて、当時は荒削りな印象を受けたのだがモデリングが大きく向上していて可愛らしくなっていたように思う。avexレーベルということも関係してか各楽曲とも古き良き太めの打ち込みサウンドが印象強く、コンセプトの統一性は良いなあと思った。

パレプロはカラーを掴み切れていない部分があるのだが、グループ内でユニットを複数持っていて、その中でシティポップ路線を追求しているユニットが非常によかった。全体曲の『君がいるから』は特徴的な振り付けも相まってかなり気に入った楽曲。

他にも気になるアーティストが出来たので良かった。この場で深く知れていなくても今後こういったフェスで「あの時見たことがある」という風になれば段々と興味が深まっていくものだと思う。ジェムカンについても、2020年初頭にフェスで見た時は「なんか新しい形態のグループがあるなあ」という程度の印象だったものだ。根気よく活動を続けることがレッドオーシャンになりつつあるV業界においては重要なのだろう。