くろろのたのしいディスカバリー(2021年5月)

 

庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン/パラノ・エヴァンゲリオン(2021.5.3 読了)

庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン

庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン

  • 作者:庵野秀明
  • 発売日: 2014/11/20
  • メディア: Kindle版
  • オススメ度: ★★★★★★★★☆☆
 
庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン

庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン

  • 作者:庵野秀明
  • 発売日: 2014/11/20
  • メディア: Kindle版
  • オススメ度: ★★★★★★★★☆☆
 

 

庵野秀明ほか、ガイナックスのエヴァンゲリオン製作陣を対象にしたインタビューや対談や座談会やらを纏めたルポルタージュ。TVシリーズの放送が終わった頃に書かれたもので、旧劇場版の公開に向けて鋭意製作中といった時期の文章となっている。

エヴァンゲリオンを語る上で切り離せなくなっている庵野秀明という存在に焦点を当て、彼のルーツであったり現在の仕事っぷりであったりを解剖し浮き彫りにしていくといった内容だ。ヤマトやウルトラマンといった作品から受けた影響や、アニメーターを志してから業界に至る経緯、あるいは家庭環境などともかく赤裸々であり、実に濃厚な内容となっている。20世紀という時代やエヴァブーム絶頂期といった背景から来る空気感が紙面の隅々から伝わってくるのも読書体験として面白い。オウム真理教との関連性が再三議論されるのはまさに当時ならではといったところだろう。

 

 

エルフェンリート

エルフェンリート Blu-ray BOX

エルフェンリート Blu-ray BOX

  • 発売日: 2012/12/19
  • メディア: Blu-ray
  • オススメ度: ★★★★★☆☆☆☆☆
 
be your girl

be your girl

  • アーティスト:河辺千恵子
  • 発売日: 2004/04/28
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★★★☆☆☆
 

 

有名タイトルでずっと興味があったにも関わらず、手を出していなかった作品枠の一つ。10年程前に『アニメ神OP集』みたいな動画を見たのがファーストコンタクトだったと思う。そのOPの雰囲気だったり、グロテスク描写への注意喚起に何となく食指が止まってしまって結局現在に至る。が、GWで暇だったのもあって視聴。

いけ好かないキャラクターが無慈悲にバッタバッタと死んでいくのは面白かったが、いかんせん粗い展開が多く、酷いアニメだったなという感想が勝ってしまった。凄惨な画面は刺激的であり魅力なのは勿論なのだが、そこに至る理由に納得感があまりなかった。記憶が一部欠けていたりするのもご都合な感じがしてモヤっとする。

でも全体を通しての不条理さだったり何とも言えない後味などは、最近のアニメでは得られないものだと思うので見て良かったなと思う。外見による人種差別、優性/劣性遺伝子といった要素も見え隠れした気がして考えさせられた。例の手で触られると"感染"するというのも面白い。

OP曲は評価が高く海外でも人気で、どういう経緯なのか教会などで歌われることもあるらしい。個人的にはEDの『be your girl』がキュートで、OPや本編とのコントラストも相まって印象に残った。和製Complicatedという感じで、MVも含めてゼロ年代のガールズロックの手触りがあって良い。

 

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フランス人のエルフェンリート評: びざろいど

 

 

YUKI『Terminal』 

【Amazon.co.jp限定】Terminal (通常盤) (メガジャケ付)

【Amazon.co.jp限定】Terminal (通常盤) (メガジャケ付)

  • アーティスト:YUKI
  • 発売日: 2021/04/28
  • メディア: CD
  • オススメ度: ★★★★★★★★☆☆
 

 

YUKIを一番聴いていたのは高校生の頃で、FIVESTARというベスト盤を良く聞いていた。正直なところそれ以降は熱心に聞いて来なかったのだが、それはさておいてこのアルバムは非常に素晴らしい。

リード曲の『Baby,its you』の完成度は言わずもがな、ミディアムバラードの『灯』は初めて聞いた瞬間から歌詞が染みて泣けるエモさがあった。終盤のシャウトには胆力というか凄みを感じる。

これまでスルーしてきたアルバム群も聴いてみたが、いずれも圧倒的であった。ベテランの域に達しても、時代に合ったフレッシュかつハイクオリティな楽曲をコンスタントに輩出する姿勢は、ロックに飽き足らずポップスさえも極めた彼女の衰え知らずなクリエイティビティを端的に示している。

 

 

夜もすがら君想ふ / yomosugara kimi omou - TOKOTOKO(西沢さんP) feat.GUMI


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他の楽曲がYouTubeでカバーされているのを見てここに辿り着いた。あの頃のボカロ曲の懐かしい空気感を纏いつつも決して古くないメロディで、最近の楽曲なのかと思っていたが2014年制作だった。2014年て。7年前じゃん。7年前!?うわ~!びっくりしました!

小気味良いリズムとカッティングに滑らかなボーカルが癖になる。GUMI(Megpoid)というボーカロイドで、中島愛さんの声がベースになっているようだ。中島愛さんのボーカロイドがあるみたいな話は何となく聞いたことがあったが、調べるまで気が付かなかった。初音ミクと巡音ルカと鏡音リンレンで止まってるのって若者からするとおそらくヤバいことなんだろうな。

TOKOTOKOさんの楽曲を他にも聞いてみているが、ミディアムテンポな楽曲でアジカンっぽさを感じるかもしれない。ジャケットに引っ張られているだけだろうか。

  

 

コットンキャンディえいえいおー!

コットンキャンディえいえいおー!

コットンキャンディえいえいおー!

  • 発売日: 2020/09/21
  • メディア: MP3 ダウンロード
  • オススメ度: ★★★★☆☆☆☆☆☆
 

 

2020年の曲だけどこのタイミングで出会った。VTuberがカバーしていたのを見て興味を持った。サビのリズムが可愛い。他は特に感想が無いのだが、何だか可愛くて印象に残った楽曲。 

 

 

冴えない彼女の育てかた Fine(2021.5.11 視聴)

冴えない彼女の育てかた Fine

冴えない彼女の育てかた Fine

  • 発売日: 2020/09/23
  • メディア: Prime Video
  • オススメ度: ★★★★★★★★★☆
 

 

①現実世界 ②冴えカノ脚本 ③冴えカノ内ゲーム脚本 という三層に渡る構造の中で、下位レイヤーが上位レイヤーに対してメタ的な仕掛けを見せてくる。アニメ版でもそういった構図はあったが劇場版では非常に顕著だった。

ギャルゲーにおけるヒロインのお約束と、そのテンプレートに納まったり逸脱したりの綱渡りを繰り返す加藤。普通で無個性で手が届きそう、理想のヒロインのアンチテーゼを体現する加藤がしかしそれ故にヒロインに納まるというプロットは青写真なら描けそうだが、実際にやるとなれば相当な魅せ方が要求されるように思う。若干無理やりな展開もあったが、それでも見ていて(良い意味で)赤面してしまうレベルのスウィート・ラブコメディとして着地を決めているのが流石である。

脇役に追いやられてしまった二人が一矢報いるようなシーンは目頭が熱くなった。ヒロインとしてでなくとも、デザイナーとして作家として、彼に恋をさせたのは間違いなくこの二人である。クリエイティブにおける最高の瞬間が、相手との関係を理想とは違う形に確定させてしまうというのは残酷かつ皮肉な展開だったが、それを上回るだけの美しさがそこにはあった。二人はその誇りとペンで以ってその先も誰かの人生を彩り狂わせるのだろうと思う。そんな余韻が持てるストーリーかつキャラクター造形であった。

記号的なのだが人間的、メタ的なようでリアル。無味無臭にも思えるテンプレートに絶妙なエッセンスが入ることで不可思議な奥行きが生まれ引き込まれる。本作に自分が見出していた独特の魅力が劇場版でも炸裂していて素晴らしかった。

 

 

にじさんじ麻雀杯 花鳥風月戦(2021.5.22)


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にじさんじの麻雀大会。文野環さんを応援していたところ大変なことになってしまったが、本気で頑張っているところは相変わらず素敵。負けたら涙が出てきてしまうくらい何事にも打ち込みたいものですね。

参加者の人となりが何となくでも分かっていると面白い。配信者ならではの大役狙いだったり、特別ルールによるカンの乱発など、盛り上がりポイントんもあって楽しめる大会だった。麻雀に詳しくなくても、にじさんじに詳しければ面白いのではないかと思う。逆はどうか分からないが。。

 

 

22/7『ヒヤシンス』

ヒヤシンス

ヒヤシンス

  • 発売日: 2021/05/26
  • メディア: MP3 ダウンロード
  • オススメ度: ★★★★★★★☆☆☆
 

 

アイドルグループがターニングポイントで打ち出す楽曲というのは、自己言及的であることが多かったり、そのような眼差しを向けられがちだ。この『ヒヤシンス』に関しても例外ではない。歌い出しにある《君が出ていった去年から》に関しては特に、22/7というグループで巻き起こった事象を言い表しているように読めるし、意図的に含みを持たせているであろうことは想像に難くない。そこにはファンサービス的な側面もあるのだろうが、見る人からすれば悪趣味に映るかもしれない。

一方でそうした視点だけにこだわってしまうのは楽曲の本質を取りこぼす危険性を伴う。何が言いたいかといえば単純だが、そういった22/7にまつわるコンテクストを排除してこの楽曲に向き合ってみようぜということである。この楽曲に関して何か述べたいとするなら、赤いヒヤシンスの花言葉を調べてからがスタートラインだ。

具体的なストーリーから、普遍的な楽曲のメッセージを抽出昇華するのは創作全般にも通ずる一つの形であるが、この楽曲における秋元康はそのやり方がとりわけうまい。台詞調にしてパート分けすることで主旋律とは別の視点を持った《僕》が歌詞の中に登場し、この《僕》が冷静に教訓を得たもう一つのペルソナとしてメッセージを語るという構成も良い。

ともかく歌詞を読み込んだ時に見えてくる物語の実像は、爽やかな曲調とは裏腹にスリリングでウェットである。その意味でこの楽曲は面白いし味わい深い。楽曲自体もボーカルの立ち替わりからサビで揃う時の気持ちよさだったり、良いポイントは多い。 そんな訳で個人的にはかなり気に入っている。『意味が分かると怖い話』みたいな形で話題になってくれると尚面白いのだが。

 

 

Tokyo 7th シスターズ FAN MEETING 1st greeting(2021.5.29、5.30 参加)

Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる- [Blu-ray]
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  • 篠田みなみ
  • オススメ度: ★★★★★★★☆☆☆
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ナナシス初のファンミーティングが開催。唯一映像化されていないライブである2.5ライブの特別上映会の他、その前後でキャストトークなども行われた。DAY1ではサンボンリボンが、DAY2ではSiSHが登場。映像内で自ユニットの出番になると実際にステージに出てきて、映像とシンクロする形でライブをやるという新しい試みだった。

2.5ライブは昼公演に参加したが、夜は行かなかったので完全に初見。ニコルの物真似をするハルに対してヒメが食らっていたのが面白かった。あの瞬間はヒメというより中島唯さんだったが。中島唯さんと言えばFUNBAREで腰をめちゃくちゃ落とす所作についてキャスト陣が触れていたのが嬉しくなった。めちゃくちゃ好きなので。

イベント内では今後のナナシスの動きについても発表があった。中でもカヅミのデビューと新エピソードの制作はビッグニュースだったと言っていい。デビューはもうないと思われていた三銃士のうちの一人であるカヅミ。EP3.5が素晴らしいのでデビューに際して鳥をモチーフにした何かがあしらわれていると嬉しい。

新エピソードについては、蛇足になってしまうのではないかと反射的に思ってしまうのが事実なのだが、でもこればかりは読む前に評価することは出来ないし待つのなら待つしかない。茂木総監督がナナシスの生みの親なのは勿論だが、ナナシスを作ってきたのはスタッフ陣、キャスト陣も一緒である。5年前にパシフィコで見た青い炎は決して一人の力で作れるものでは無かった。祈りの炎は残された者たちの中でも現在進行形で燃えていると信じてみたい。メラメラって感じです。

 

 

DISCOVERY

DISCOVERY

  • アーティスト:Mr.Children
  • Toysfactoryレコード
  • オススメ度: ★★★★★★★★★★
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