山崎エリイ『全部、君のせいだ』の話

 

全部、君のせいだ。【通常盤】

全部、君のせいだ。【通常盤】

 

 

山崎エリイさんのソロ活動における1stアルバム、『全部、君のせいだ。』を購入。簡単にだけど記事にします。

 

楽曲リスト

 1. 全部キミのせいだ
 2. 星屑のシャンデリア
 3. Lunatic Romance
 4. 空っぽのパペット
 5. 雨と魔法
 6. ドーナツガール
 7. Zi-Gu-Za-Gu Emotions
 8. cakes in the box
 9. アリス*コンタクト
10. My first love
11. 星の数じゃたりない

 

 

山崎エリイさんは制作当時18歳という若さであり、こんな成人オタクが彼女の名前をキーボードに打ち込みまくって良いのかと思ってしまう若さである。しかしながら若さと勢いを押し出したエネルギッシュでキラキラとした楽曲よりは、ゴシック系、ファンタジックな楽曲や、落ち着いた歌謡ポップスが中心となっている。

アルバムタイトルが「全部、キミのせいだ。」であり、どことなくアイドル路線をも匂わせるが、どうもそんなことも無いようだった。これは少し驚いた点である。

 

『6.ドーナツガール』は粒立ったソリッドなベースのリズムが心地いい。ドーナツの穴を「欠けている、足りていない部分」として捉え、まだ大人の女性になりきれない少女として喩えているのが面白い。

歌詞に「ワンダーランド」というフレーズが登場するが、『9. アリス*コンタクト』という楽曲もあるように、「不思議の国のアリス」の世界観がアルバムの随所に取り入れられているように思える。『3. Lunatic Romance』、『8. cakes in the box』辺りはそんなファンタジックな世界観を強化する、ゴシックロリータな雰囲気を纏った楽曲である。山崎エリイさんのど真ん中ロリータボイスともマッチしていると言える。

 

『5. 雨と魔法』は個人的に非常に気に入っている楽曲。「魔法」と聞くとファンタジックな内容を想像してしまうが、実際は90年代の歌謡曲チックなラブソングである。スライドギターの懐かしい感じがたまらない。そしてこれはアルバムが全体的に「アリス」な面を見せる中で異彩を放つ楽曲でもある。

彼と二人で雨上がりを待つ女性の目線から書かれた歌詞であるが、この女性は包容力のある少し大人びた女性として描かれている。ファンタジックな空気感のアルバムにおいて「魔法は起こらない」と歌うことによる少女性の否定が、一見スタンダードなこの楽曲を際立たせているように思う。そう歌いつつも歌声が相変わらずに可愛らしい点も、不思議な感覚になる。

 

思春期に少女から大人に変わる、そんな二面性が見え隠れする。山崎エリイさん、本当の君は一体どっちなんだ。そんなアルバムでした。やっぱりそんなアルバムじゃないと思います。