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20151013 PENTAX Q/『終わる世界のアルバム』(杉井光)

カメラを買ったんだけど「カメラを買った!!!」と素直に騒げない話。

PENTAX Q』というコンデジと一眼レフの中間みたいなカメラ(ミラーレス一眼という表現はこのカメラにはあまりピンと来ない)を昨日Amazonマーケットプレイスで注文して、今日届く予定になっていたので、仕事中も家に帰って届いたカメラを触ることを楽しみにしていました。

家に帰ったらそれっぽいダンボールがあったのでバリバリと開け、カメラの外箱も開け、と夢中で進んでいったんですが…。付属のレンズが注文していたのと違った。という訳で、喜んでいいのか悲しんで良いのかわからないテンションになりました。

「いずれは欲しいかもな」、と思っていたレンズではあったので、本命のレンズを別で買ってもいい気もするけど、まあここは連絡を入れてどうにかしてもらえるものならしてもらおうという感じ。そんな訳でカメラの話は一件が片付いてから改めて話題にして騒ぎます。めっちゃ楽しみにしてたのにお預けを食らった感覚です。

 

 

 

 

終わる世界のアルバム

終わる世界のアルバム

 

 

昨日ですが、読み終わった本。昨日一日で全て読み切りました。

神様のメモ帳』や『さよならピアノソナタ』シリーズで有名な杉井光さんの作品。レーベルや表紙は「ザ・ラノベ」ではないものの、文章やキャラクターなどは普通にラノベっぽい。

題名にも現われているように、「終わっていく世界」の話。世界から何の前触れもなしに、ぽつりぽつりと人が消えていく。消えた人のことは誰も覚えていることが出来ず、最初から居なかったことになるように都合よく世界が書き換えられる。「世界五分前仮説」という仮説がありますが、それを当て嵌めれば理解が早いでしょう。そんな特異な設定を持った世界が舞台です。

主人公は写真部に所属する中学三年生で、彼はとある理由から世界で唯一の「消えた人のことを覚えていられる」存在であることが冒頭で明かされます。いっそ忘れてしまえれば楽なのに、世界で一人、自分だけが誰とも分かち合えないその痛みを抱えなくてはならない。やがて彼は、誰が消えてしまっても傷付かないようにと、自らの心に堤防を作って、一歩引いた場所から全てを見渡すようになります。

この作品の良さ、ひいては杉井光さんの作品の良さにも通じる部分があると思いますが、心に弱さや臆病さを抱えた人物の心情描写が巧くて素晴らしい。一人称の文体ですが、主人公のはっとするような絶妙な言葉をチョイスしての比喩表現が魅力的です。威力のある言葉を並べた巧みでキレのある比喩というより(威力のある言葉って何だ)、側にあるのに見落としていた言葉でじんと心に染み込んで来るような比喩だと思います。抽象的で分かりにくいですね。

傷付くのが分かっているから距離を置く、別れてしまうのがわかっているから距離を置く。それは非常に勿体ないことだとは思いつつも、一方で気持ちがわかる自分もいて、なかなかシンクロしてしまう内容でした。『神メモ』や『さよソナ』のとはまた違い、少し寂しい方向に熟した主人公でしたね。これもキャッチーなエンタメ性を要求されがちなラノベの枠組の外だからこそ出来るキャラクターかもしれません。

 

この作品の、というよりこれも杉井光さんの作品の特徴になってしまうかもしれませんが、作中に洋楽アーティストの楽曲やエピソードが登場することが多いです。特にビートルズに関しては『さよソナ』でも作品の軸となるくらいに取り上げられていました。

あまり洋楽に詳しくなくてそれこそビートルズくらいしかわからなかったので、昨日はビートルズを聴きながらページを捲っていました。なかなか贅沢な時間でしたね。まとまった時間があるときは音楽でも聴きながら部屋でのんびり読書するのが結局最高なのかもしれません。

 

話が逸れましたが、繊細で心地良い文章と、少しずつ明らかになっていく、いや薄々わかっていたけど目を反らせなくなっていく、といった感覚が良かったです。もう少しうまく感じたことを言葉にしたかったけど眠くなってきたのでこんな感じで。